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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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放射性物質の海洋汚染に関連して、
色々な議論が様々なところで行われている

海洋学会は提言を出した
この内容は至極まっとうで、
その通りに実施すべきと考えられるものである

一方で、
実際に研究船を動かす組織からは、
この提言を完遂しようとする動きは見られない
もちろん、
それぞれの船舶で幾ばくかの努力をして、
それなりの貢献をしようとはしている
しかし、
それは「震災前に決定した研究ありき」であって、
「何は無くとも今は放射性物質モニタリング」というわけではない
海洋調査の船舶運航をコントロールできる立場にいるモノの多くは、
海洋学会員でもあろう
彼らは学会提言の実現に全力を尽くしているのだろうか

「われわれは研究を止めない」とか、
「学術研究の独立性」とか、
美辞麗句のようなものを並べているけども、
果たしてその内実はどうなのだろう

今、ウナギの卵や熱水鉱床を探す必要があるのか、
太平洋の微量元素組成を調べる必要があるのか
「今やらなければならないこと」と、
「可能な限り早急に実施すべき事」との間には、
大きな隔たりがある
まったく意味が違うことだと言ってもいい

海洋学の目的とは何なのだろうか
海を良く知り、海洋と生命の共存共栄を求めることではないか
ヒトがその利己的行為によって海洋を汚染している今この時に、
それに背を向けてでもしなければならない研究が存在するのか

学者として、
胸を張って、
「福島沖モニタリングよりも重要な研究があるのだ」
と言えるのか
船舶の運航をコントロールできる立場にいる研究者に、
「こんなことやってる場合じゃないだろ」と言う人はいないのか

ボクは、まだ、そのような立場にない
そのことが悔しい
あまりに無力だ

そんなボクに今できることは、
早くそういう立場に至るために努力すること
それしかない

実力無き理念は戯言に過ぎない

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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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