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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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悩ましげなKさんがグラフについて書いていたので、
去年の修論生の指導をしている時に気付いたことをここに記しておこう

ITの発達(というかKさん指摘のエク○ル)の怖いところは、
すぐに「二次元」プロットができてしまうこと
これはヤベ-です

基本は一次元なのですよ
ある指標において数字が大きいか小さいか
それだけなのです

それがあって、
それを十分に考えて、
どうも重複領域があるとか、
時間や空間に対する挙動が見えてこないとか、
そういう問題に直面するわけです

その時にはじめて、
二次元プロットが出てくるわけです
深さに対して、
時間に対して、
あるいは異なる指標に対して、
自分の見たい指標をプロットしてやるわけです
本当に知りたいものは、
片方の軸なのです
あくまで一つの指標を読み解くための補助として二次元に落とすのです
二次元プロットの二軸は互いに等しく尊重されるモノではないのです
(軸を尊重するというのも変ですが)

で、
地球物質循環をやっているわけですから、
知りたいのは物質の挙動なのです
近似的には濃度なのです
それは決して同位体比ではないのです

あるいは同位体比の変動がクリティカルなのかもしれません
その場合でも、
同位体比がある指標に対してどう振る舞うべきか、という前提が確保されていなければ、
安易に二次元プロットに落としてはダメなのです
もちろん同位体比のみで一次元に考察するなんてのは危険も危険です
同位体比なんてものはいい加減なものなのですからね

たとえばエサとしての食事を考えた時に、
摂取カロリーが濃度で、腹持ちの良さが同位体比、だとか、
嗜好としての食事を考えた時に、
塩味が濃度で、旨味が同位体比とか、
そういう感じで、
同位体比の数字なんてモノは、
一見定量的だけども、
どこまで行っても半定量的でしかないわけです

あら、
グラフの話が同位体比の話になっちゃった

三次元プロットに気持ち悪さを感じるように、
二次元プロットに気持ち悪さを感じるようになると、
作図EDに陥りしばらく論文が書けなくなりますが、
一度なってみるのも良い経験ですよね
作図EDから立ち直るには、
素晴らしい論文の素晴らしい図に出会うしかない
「おぉ、美しい」
と思ったら作図できるようになります

硝酸のd15N-d18Oとd15N-D17Oを並べると(Michalski2003GRL?)、
「d15N-D17Oは抜群にステキだ!」
と思うけど、
「D17O一次元で十分だよね」
とも思うわけです
某SP値などもその部類ですよね

まぁ、
SPもD17Oも元々が「比の比」ですからね
これを二次元にしたら「比の比の比」ですから、
やりすぎですよ

比を取るのは、
情報を削減することで対象を浮かび上がらせること
そう捉えるのか(K氏談)

あぁ、また同位体比の話に・・・
これが「でるたの呪縛」なのか・・・
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