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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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これは以前、古巣を訪ねた時に某氏と話していてえた見解について、
今回の事業仕分けがからんで思ったことです

また、
このエントリーに限り、
コメントを受け付けることにしました
最下部のコメントをクリックしてコメントしてください
(コメント無いので閉めます(泣))


■ハード人件費とソフト人件費
大学運営費など、
ほぼ永続的に供給されるマネーをソースとする人件費をハードな人件費、
科研費基盤やCOEなど、
元ソース自体が期限付の人件費をソフトな人件費、
とします
(分類には異論があるでしょうが、ここではそんな感じで)

たとえば、
大学雇用の(特任じゃない)任期付助教などは、
一個人としての立場は流動的ですが、
そのマネーソースは(一応)確たるものなので、
ここではハードな(人件費による)雇用だと考えます
もうひとつ
うちの機構にはポスドク研究員というポストがあるんですが、
これは一見するとソフト雇用なんだけど、
基本的には機構の金で雇われるハード雇用なんですよね


で、
ハードマネーの枠(たとえば大学のお金で雇う大学教員)については、
それほど大きな増減はありませんから、
お金を受け取る個人は変わるものの、
ハードマネー研究者の総数は変わりません

でもソフトマネーはソフトなので、
たとえば科学技術なんてクソ食らえ内閣ができたら、
(今回はそういうわけでもないんですけどね)
かなり大幅な減額が予想されます
これはね、もうしょうがないですよ
科学技術立国を標榜したとて、
国民、あるいは政治家の心に科学が届かなければ、
科学会は聖域ではいられないのです


で、
ポスドク問題です
一個人としての研究キャリアにおけるポスドク期間の重要性や、
科学会の発展におけるポスドク研究者の存在の重要性について、
少なくとも科学会の中では疑問を持っている人はいないでしょう

しかしここであらためて、
科学会の皆さんに質問
「ポスドク」ってなんですの?

これはボクの中での定義ですが、
「研究以外の義務(教育・組織運営)を負わない研究者」
「研究専任のプロ研究者」
だと思うのです

「学位取得後、定職に就くまでの研究者」なんていうのは、
post doctorの日本語訳でしか無くって、
本質的な意味では、というか、
上にあげたポスドクの重要性を満たすという意味では、
ボクの定義の方がしっくりきます
定職に就くと会議があったり、
出世すると管理職業が増えたりすることを考えると、
本当の意味で「研究のみをしていれば良い職」としての「ポスドク」が見えてきます

というかね、
「学位取得後、定職に就くまでの研究者」と言っている時点で、
「ポスドク=研究キャリアパス上のつなぎ職」ということになってしまい、
「一個人の職名」というミクロな視点に落ち込んでしまいます
これでは、
個人としてのポスドク期間の重要性も、
科学会におけるポスドクの存在の重要性も、
いくら主張したとて、
今回の事業仕分けで指摘されたところの、
「雇用対策的な色彩が非常に見えてしまうという感じ」
になってしまう訳です
だから、
「ポスドク」という語の定義をちゃんとすることこそが、
「ポスドク問題」に取り組む際の一番初めの手順になるはずです
そこはちゃんとやってほしいです


というわけで、
ボクの定義でいきますと、
「ポスドク」というのは「研究専任のプロ研究者」なわけですから、
やはり科学の発展にとっては本当に重要な存在なのです

にも関わらず、
ポスドク枠の多くがソフトマネーによって確保されていて、
ポスドクの総数は非常に不安定な状況にあるのが現状です
たとえば、
ある分野の大物研究者がドイツもコイツもボンクラで、
まったく人件費用ソフトマネーを取れない連中だったとしたら、
その分野ではポスドクが養えない
そうすると次の人材が育たないことになり、
日本において、その研究分野は死滅します

「非常に重要」なのに「非常に不安定」というのは、
良くない状況ですよね

そんな中、
ハードマネーによるポスドク枠がある
それが「学振特別研究員PD」


さぁさぁ、
いよいよ本題というか、
もうオチはついてしまったのですが、
そういうことで、
「学振特別研究員PD」というのは、
科学会が絶対に守らなければならない、
それこそ「聖域」だと思うのです
なぜなら、
「学振特別研究員PD」は「ハードマネーのポスドク」だからです
ハードマネーによる人員枠は、
科学会のミニマム人員枠を決めているものなんです
ソフトマネーはそもそも増減があるものなので、
たとえ全廃になっても許容せざるをえませんが、
ハードな部分を削られると、
本当の縮小がはじまってしまいます
これはいかん


学振PDは、
厳格な審査(採択率10%)を経て選出され、
研究者自身が提案した研究を遂行することを唯一の義務とし、
他の研究者および業界や組織に対する義務が無い、
唯一の、
真の、
研究専念職(ポスドク)制度です

決して一部の研究者の「雇用対策的な」思惑では利用できない制度です

これを他の、
それこそ「雇用対策的な」ソフトマネーポスドクと一緒に議論して、
【「ポスドク=雇用対策的な色彩」→「学振特別研究員PDの減枠」】
という議論を導いてはなりません



あぁ、
また話がとっちらかってきましたね
とにかく、
途中で言ってしまいましたが、
若手研究者ウンヌンの議論で重要なことは、
【「ポスドク」という語の定義をちゃんとすること】です



もう疲れたのでこの先は今度にしますが、
このソフトとハードの話は、
1)大学(ハードマネー)の研究専門職を設置する
2)大学(ハードマネー)のラボマネージャー兼事務秘書的な職を設置する
という大学組織の抜本的改革の話に行きます

1)は研究して論文は書くけどいわゆる雑用のない教授のようなもの
2)は論文は書かないけど研究現場に携わる技官兼秘書のようなもの

なぜこんな話になるかというと、
現在の科学会が抱える問題として、
「偉くなると研究できない」ということがあるからなのですね

ではまた
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kawagucci
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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