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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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久々に出張へ行ってきました。荷造りとか飛行機搭乗前の時間の使い方とか、細々した部分がスムースに体が動かず、かつてオートマチックにこなしていた作業を忘れる身体性に驚かされます。このタイミングで何かするんだよな、と頭では引っ掛かりを感じて、体も動こうとするのだけど、それが何だったかを掴みきれず体が泳いでしまうような、そんな状態です。元に戻ることはないのでしょう。ニューノーマル、どんな形で着地するのだろう。

出張ついでに時間を見つけて旧知の(若手)研究者とお話をしてきました。以前にあった時は、爪や髪が濁って見るからにキツそうだったけど、ドン底からは幾分か回復したようで、知り合った頃の明るさに子育てを経て獲得したのだろう鷹揚さも加わっていました。とはいえ、任期付・地方・子育てというのは知識として知っている以上に困難なのでしょう。話をするうちに、成熟に見えた鷹揚さも、あるいは諦観からくるものなのかもしれないと思い直しました。

「ルールが整備されていなかった」という理由で、産休育休分の任期が延長されず当初契約の任期で、しかし成果目標については休暇分を差し引いて評価するということだが、テニュア審査が行われるとのこと。どの法律でどう判断されるのか専門家ではないのでわからないけども、現在の社会通念からすれば、産休育休相当の年月分だけ任期を延長しないというのは、アウトでしょう。理念が十分に共有されていれば、こういう不具合が生じることもないのでしょうが、やはりまだ「上から落ちてきた概念」なのでしょう。任期制度も、女性の社会進出も。

話をしているうちに、ボクと彼女で過去にどんな話をしていたかを思い出してきました。結婚のタイミングと目の前の研究進捗。出産を見据えた上での地方教員公募への応募。研究テーマの選び方。スイスからの一時帰国でも毎回会っていて、4日間の帰国中に2回会ったりもしました。結果だけを見ると彼女はボクの意見の逆を行き続けているのだけども、だからといってボクが彼女の選択が間違っていたとはまったく思わないし、かといってボクの話したことが無意味だったのでもない。大きな分かれ目でどっちを選ぶかってことよりも、どっちにも転びうる分岐点の前で身体を硬直させないための揺さぶりというか、そういうことをしたのかなと思っているわけです。

最近出演しているウェブ番組やシンポジウムの登壇などで「混ぜっ返し」を期待されていると言われます。この「混ぜっ返し」というのが、なんだかジャマをしているようなニュアンスがあって好きではないのだけど、硬直した状況をほぐす「マッサージ」をしているのだと思えば、なんだかポジティブな気もします。「混ぜっ返し」と「マッサージ」だと語感も似ていて互換性があるし。そんなことを、2週間以上続く寝違えからの首痛を抱えながら、思っているのでした。
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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