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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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ボクはあまり(ほとんど)論文を読まないという,
大変に堕落したダメ研究者だという自覚があります。
「そんなこと言って本当は読んでるんでしょ」とかも言われますが,本当に読んでません。
どれぐらい読んでないかって,
ヘタしたらこの半年は一報も読んでないんじゃないか,とか,それぐらいです。
別に自慢でもなんでもないですが,事実として,そんなです。

で,
最近,ボクよりちょっと下の世代に,
文献紹介ブログ活動を活発に行っている人達がいます。
これ(http://palaeo-kuroneko.blogspot.jp/)とか,
これ(http://y-t-yamaguchi.blogspot.jp/)とか,
これ(http://paperlog.blog.fc2.com/)とか。
まぁ元凶(?)は,
これ(http://d.hatena.ne.jp/keikoba/)なんでしょうけども。

もうね,頭が下がります。土下座レベルです。すごい。
これだけ文献をチェックしていることも,
それを(自分の誤読があるかもしれないのに)ウェブに載せてしまうということも,
嫌味でもなんでもなく,本当にすごいと思うわけです。

すごいと思うわけです。
が。
一方で「それってどうなん?」的な感情も同時に抱くわけです。
なんとも記述しにくい感情なのですが,
畏友ヨシザワ氏も同じようなことを言っていたりしまして,
これはいよいよ,ちょっと考えてみるべきなのかな,なんて思うわけです。

タモツさんには記念セミナー時にツッコミましたが,
「世界はこうなってると,ボクは思うんだよね」というような,
特に「ボクは思う」みたいな,
「一人称」で「根拠無し」の「世界観」みたいな,
そういうものが「まず先に」あって,
それを科学的な手法論で解き明かしていくのが,
科学研究って営みなんじゃないのかね,と。

もちろん,
そんな「ボクは思う」ってものを根底から支えるのは文献調査で,
そこに至るには膨大な文献を丁寧に調査することが重要なわけですが,
(そしてそれをしないからボクの仮説は1割以下の打率なのですが)
でもでも,やっぱりそれだけじゃないだろう,とも思うわけですね。

文献をたくさん読んで,
そのイントロや議論の結語で言ってることを「ふむふむ」して,
それをそのまま「三人称的」な「〜〜と言われている」って具合に研究を捉えてて,
なんというか,
自分の研究さえも「誰かの仕事」みたいになってないかな,とか,
そういう風に感じてしまうのです。

別に「ハッタリ」とか「トンデモ」とか,
そういうものをどうこうせいってことじゃなくて,
せっかく,他ではない自分が生きているんだから,
「代替不可能なボクだけのサイエンス」みたいなものを持って良いんじゃないか,と,思うわけです。

知識なんてものは,それ自体は,別に誰が持っていたって構わないわけで,
つまりある仕事が文献になっている以上は,
別に誰がその内容を知っていても(知らなくても),
その文献はもうその文献としてそこにすでにあるわけ。
でもボクの頭の中は,
どこにも文献になってなくて,
いまだ誰にも見えないボクだけのサイエンスなわけで,
それを文献として世に出すことが,
そこがサイエンスなんじゃないかな,ということです(どういうこと?)。


たとえばレビュー論文を書くにあたって,
過去の論文をしっかりフォローして,
それを体系化して理解して記述することはすごく重要だけど,
でもやっぱり,
最初と最後のパラグラフには,
「オレの話を聞け」みたいな「魂の叫び」を見たいよね。

んで,
ブログなんてメディアは,
それこそ「オレの話を聞け」なメディアなんだから,
無味乾燥な文献紹介だけじゃなくって,
もっともっと「オレの話を聞け」って話をして,
そこで身につけた「魂の吐き出し方」みたいなものを,
自分の原稿に活かしていけばいいんじゃないのでしょうかね(誰目線なんだ?)。


ということで,
「他の誰でもないオレ!」
の話が聞きたいです。

ブログでも,
学会発表でも,
論文でも。
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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