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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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チューリッヒ駅からちょっと行った(ETHから降りたところの)交差点では,混雑する時間帯に警官が立って,手信号で車や歩行者をさばいている。複雑な形状だし,トラムの路線も複数あるし,機械的な信号よりも渋滞が起きにくいのだろうと推察している。

そのこと自体がすごく興味深い。定期的に切り替わる信号でもなく,トラムなどから能動的な信号操作をするわけでもなく,警官が頭で考えて手で捌くのが,一番「効率的」だということなんだろう。「AIの発達で社会に革命が」とか「ディープラーニングでどうこう」とか,そんな感じのことで騒がしい昨今であるが,たとえばこんなところにも,「なんかよくわからんけども人間がやる方が効率的」という事象が発見できるのである。高度成長時代を生きた人々に対して「成長神話乙www」という態度になってしまうのも仕方がない。

それ以上に驚いたのが,目の前にあるカフェのお兄さんが,手信号のお立ち台にいる警官にコーヒーを届けていたことだ。あれは一体どういうことなんだろうか。警官がコーヒーを頼んだのだろうか。だとすると,いつ?という疑問が。たぶんそんなことはないと思う。おそらくカフェによるサービスなんじゃないか。「ご苦労さん」ってなもんで。そうだとしたら「ほっこり案件」だ。もう一つの疑問は「いつ飲むの?」ということ。手信号は原理的に一時も休めない。「行け」も「止まれ」も両方指示するのだから。彼女(警官)は笑顔で受け取っていたし,その様子からは「いつものこと」という感じが漂っていた。謎だ。

そして「こういうことが日本で起こるかねぇ」みたいなことも考えてしまう。渋滞の強度は?移動者達はこれほど素直に手信号に従うか?信号システムの発達は世界的にリンクしているのか?警官にコーヒーを振る舞うか?(警官は職務中にコーヒーを買うか?)まさに仕事中に警官はコーヒーを飲むか?などなど。

「世界に出て行け!」「グローバル!」という御題目には辟易とするが,「日本ではないトコロに身を置いて日本を相対化して見る」というのは大変に意義深いとも思う。いやまぁ「日本vs海外」のみならず,何にでも言えることですが。自分の考え方が,いかに身を置く環境から影響を受けているか,「あたりまえ」とは何か。海外生活(旅行でも可)の醍醐味である。
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