自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
インド洋航海。
AUVの方は準備万端なんだけども,
表層の方はちょいちょいと心配な要素があって,
やや不安ではある。
しかしやるしかないのだから,やるのである。
まずは移動。
鼻が詰まっている状態での飛行機は怖い。
航海の概要は以下。
平成27年度3船利用課題公募に対し提案した『中央インド洋海嶺南緯 8-17 度域における熱水域探査: AUV「うらしま」潜航調査』および『インド洋における窒素固定を中心とした栄養塩動態の把握』の2課題を実施するYK16-E01航海を,2016年1月11日(モーリシャス)〜1月31日(モーリシャス)に実施する。2課題のうち,前者が「中央インド洋海嶺・AUV潜航・海底熱水活動探査」という海洋底科学的な関心・手法で実施する課題であるのに対し,後者は「インド洋低緯度域・表層採水・窒素固定代謝活性」という海洋科学的な関心・手法で実施する課題である。このように両課題はまったく異なる科学的な関心・手段に基づいている。そんな両課題を同時に提案するきっかけは,これまでに深海潜航調査および海洋科学調査の両航海に参加した経験にある。特に「うらしま」潜航調査航海では,乗船研究者の人数がそれほど多くならない。このため「よこすか」のベッド・ラボには十分な余裕が生じる。しかしこれは裏を返せば,調査機会の損失といえるかもしれない。そこで調査船運用の効率化という観点から,「うらしま」潜航調査を軸にしつつも,潜航調査を妨げない(≒Aフレームを使用しない)範囲で並行して推進可能な別課題の提案を考えた。「うらしま」課題で対象とする海域が貧窒素栄養海域という海洋学的特徴を有することを踏まえ,試料採取に要する時間が短い海洋表層を対象とする栄養塩動態調査(特に窒素固定代謝活性)の並行実施を提案した。なおこの企図に対しては「審査結果のお知らせ(内示)」において「Shiptimeの有効活用としてのピギーバック提案を評価する」という海洋研究課題審査部会のコメントがあった。
YK16-E01航海では,韓国の研究グループの広域CTD鉛直観測によって海底熱水活動の兆候が認められる海域において「うらしま」潜航を実施し,詳細な地形の取得・海底磁気マッピング・水塊の音響および化学組成の異常分布の描出を目指す。これらの観測から,熱水噴出口位置を特定するとともに,熱水活動の特徴について予察的な結果をえることで,無人探査機あるいは有人潜水船による調査が可能となる。また「うらしま」の着揚収の前後に「よこすか」の舷からCTDと採水器を備えたロープを投入し,表層5mおよびクロロフィル極大深度において採水を行う。所要時間は各1時間以内を目指す。採取した海水に安定同位体標識基質(窒素ガス・アンモニア)を添加し「よこすか」ファンネルデッキに設置する露天培養槽で一定時間培養し窒素固定および硝化の代謝活性を調査する。また夜間・荒天時・航走時には「よこすか」による地形・海底磁力・重力の広域調査を実施する。なおYK16-E01航海と同時期に海洋底総合調査を目的とする「白鳳丸」KH-15-5航海(1月17日〜1月26日)が極めて近接した海域で実施される。両航海では事前に研究者間で調整を行い,すでに広域調査測線が共有されている。航海中も適宜連絡を取り,2船が同海域にいることを活かした効率的な調査推進を目指す。
発表においては,得られた成果の速報に加え,「うらしま」潜航と「表層採水」の並行実施において生じた難点・問題点も紹介し,これから調査船・調査航海をさらに効率的に運用するための課題をコミュニティと共有したい。
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AUVの方は準備万端なんだけども,
表層の方はちょいちょいと心配な要素があって,
やや不安ではある。
しかしやるしかないのだから,やるのである。
まずは移動。
鼻が詰まっている状態での飛行機は怖い。
航海の概要は以下。
平成27年度3船利用課題公募に対し提案した『中央インド洋海嶺南緯 8-17 度域における熱水域探査: AUV「うらしま」潜航調査』および『インド洋における窒素固定を中心とした栄養塩動態の把握』の2課題を実施するYK16-E01航海を,2016年1月11日(モーリシャス)〜1月31日(モーリシャス)に実施する。2課題のうち,前者が「中央インド洋海嶺・AUV潜航・海底熱水活動探査」という海洋底科学的な関心・手法で実施する課題であるのに対し,後者は「インド洋低緯度域・表層採水・窒素固定代謝活性」という海洋科学的な関心・手法で実施する課題である。このように両課題はまったく異なる科学的な関心・手段に基づいている。そんな両課題を同時に提案するきっかけは,これまでに深海潜航調査および海洋科学調査の両航海に参加した経験にある。特に「うらしま」潜航調査航海では,乗船研究者の人数がそれほど多くならない。このため「よこすか」のベッド・ラボには十分な余裕が生じる。しかしこれは裏を返せば,調査機会の損失といえるかもしれない。そこで調査船運用の効率化という観点から,「うらしま」潜航調査を軸にしつつも,潜航調査を妨げない(≒Aフレームを使用しない)範囲で並行して推進可能な別課題の提案を考えた。「うらしま」課題で対象とする海域が貧窒素栄養海域という海洋学的特徴を有することを踏まえ,試料採取に要する時間が短い海洋表層を対象とする栄養塩動態調査(特に窒素固定代謝活性)の並行実施を提案した。なおこの企図に対しては「審査結果のお知らせ(内示)」において「Shiptimeの有効活用としてのピギーバック提案を評価する」という海洋研究課題審査部会のコメントがあった。
YK16-E01航海では,韓国の研究グループの広域CTD鉛直観測によって海底熱水活動の兆候が認められる海域において「うらしま」潜航を実施し,詳細な地形の取得・海底磁気マッピング・水塊の音響および化学組成の異常分布の描出を目指す。これらの観測から,熱水噴出口位置を特定するとともに,熱水活動の特徴について予察的な結果をえることで,無人探査機あるいは有人潜水船による調査が可能となる。また「うらしま」の着揚収の前後に「よこすか」の舷からCTDと採水器を備えたロープを投入し,表層5mおよびクロロフィル極大深度において採水を行う。所要時間は各1時間以内を目指す。採取した海水に安定同位体標識基質(窒素ガス・アンモニア)を添加し「よこすか」ファンネルデッキに設置する露天培養槽で一定時間培養し窒素固定および硝化の代謝活性を調査する。また夜間・荒天時・航走時には「よこすか」による地形・海底磁力・重力の広域調査を実施する。なおYK16-E01航海と同時期に海洋底総合調査を目的とする「白鳳丸」KH-15-5航海(1月17日〜1月26日)が極めて近接した海域で実施される。両航海では事前に研究者間で調整を行い,すでに広域調査測線が共有されている。航海中も適宜連絡を取り,2船が同海域にいることを活かした効率的な調査推進を目指す。
発表においては,得られた成果の速報に加え,「うらしま」潜航と「表層採水」の並行実施において生じた難点・問題点も紹介し,これから調査船・調査航海をさらに効率的に運用するための課題をコミュニティと共有したい。
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