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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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研究に身が入らない時間が続いている。「研究しなきゃ」と「研究したからって何になるんよ」という間で揺れ動いている。博士院生の時からちょっと研究が落ち着くとこの精神状態になってしまう。

それってのが,自分から能動的に取りかかることが出来ない低モチベーション,まぁやる気が無いってことですが,そこから来ているのか。はたまた,現代研究というものに対する厭世観的なものから来ているのか。まぁ両方ともってのが正解ではあるんだろうけども,どっちの方がより自分にとってクリティカルなんだろうかと考えたりしている。

他人の関わる仕事については,向こうから襲いかかってくるから否応なしだからか,はたまた自分の”良い人”的部分がくすぐられるからか,いずれにせよ,わりと頑張れる。あぁ”良い人”がくすぐられるというのは,良く思われたい(ゲス)と助けて上げたい(天使)と,両方ともだな。

「常識を疑え」という立ち位置をとるなら,今の自分の状況でもっとも疑うべきは,現在の科学業界の在り方が科学にとってベストなのか,あるいは,現在の地球科学の取り組み方はベストなのか,とかそういうことなんだろうと思う。業界の在り方については,グローバル(笑),ドメスティック(文科省主導ってことですね),ローカル(大学とか海洋業界とか),あとまぁ所属ラボとか協働研究関係周辺もそうかもしれない。とにかく色んなスケールで,一体どうなのよ?ということを,もうちょっとマジメに考えていかないとなぁと。

総論的には,日本の常識的振る舞いをしていると「局所最適」「兵站軽視」「縁故重視」を指向してしまいがちである。なので,そこを是正というか,常に反省しながら,前に進んでいけるような,,,いや違うな,,,本当に前に進んでいくべきなのだろうか,本当にそっちが「前」なのだろうか,と自問自答することをやめないようにすべきだと。そういう風に考えているわけだ。

一方でサイエンスなので,つまり未知のものに取り組むわけで,どこかで「えいや」と飛び込んで行くことも大事。そんな結果が出るかどうかもわからない博打を一緒になって打ってくれる人なんてのは結構な縁故がある人に限られるわけで。結局は相反する2つの動機と行動を並立させねばならぬわけだ。アンビヴァレントな純情な感情は空回り,なのです。


とか何とか言っていてもしょうがないので,もうちょっと考え続けることと,もうちょっとまとめて書き連ねていくことを増やそうと思っているわけです。

苦手とする実践・集中・継続です。
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10月27日 チューリッヒ男飲み会
チューリッヒで働く人の飲み会。初参加。
別に男性限定ではないらしいが,なんとなく名称が「男飲み」らしい。
Bahnhoff str.にほど近いワインバーで。
www.moevenpick-wein.com
医者・金融・建築・メーカーなど多彩な業種の方々が。刺激的。
冷えたロゼではじめて,ハムとチーズの盛り合わせなど。
ガブガブ飲んで1人100CHF弱だった。

10月29日 リギ山 Mt Rigi
Rapperswil経由でArth-Goldauに行って登山鉄道で頂上まで。
地上の天気はグズグズだったが,登山電車が雲海を突き抜けた後は快晴。
頂上からArth-Goldauまで歩いて下山。
壮観な景色,土と雑草の道,滝,雲海などを眺めつつ下山。
最後,町に出るあたりの経路が全然わからなくて焦った。
正解は「看板に従い誰かの家の放牧地を突き抜ける」だった。
ナギとリュウも歩かせて4時間で下山完遂。(タマは背負いっぱなし)
翌朝から筋肉痛。

10月30日 ETH Active Sunday
体育館に体操器具が出してあって子供を遊ばせるイベント。
開館時刻に行ったが受付で長蛇の列。
妻子を中に入れ,1人で並ぶ。父はツライ。
2歳-10歳ぐらいが楽しめる難易度のアトラクション(?)が20個ぐらい。
父とナギ,母とリュウとタマにわかれて遊ぶ。
途中,飛び降りる系で顔をぶつけて気持ちが萎えていたが,90分たっぷり楽しむ。
昼から同僚日本人宅におじゃまして手鞠寿司など。その後は近所の公園。

10月31日 幼稚園の2者面談
地元幼稚園に通うナギ5歳(通常3-4歳児がいる年少クラスに在籍)の2者面談。
正規の面談らしく,公式の有資格通訳を幼稚園が手配してくれていた。
先生から子供の様子について(項目ごとに)説明を受ける。
「はじめは1人で遊んでいたが,最近はグループで遊んでいる」
「指示がわからなかった時は,後から先生に聞きに来るようになった」
「1から22までの数字が言える(クラスの人数が22人)」
「言葉はまだわからないことが多いようだ」
「シャイな部分が出てコミュニケーションが少し不足している」
みたいな内容。
すべて「はい」と相鎚を打つだけ。
話を聞きながら感じたのは,
おそらくこれは「進級審査の中間報告」のようなもので,
年長に進級するためにクリアすべき項目を伝えられているのだろうな,と。
そんなことを考えていたら,
「次の面談は任意ですがどうします?」
と聞かれたので「ぜひやりたい」と回答。

11月7日 夜サッカー 0回目
同じ町の日本人妻の夫氏が参加しているというサッカーチームの存在を知る。
毎週月曜20-22時とのこと。
「今日は仕事で参加出来ない」と言われたが,もう抑えきれなくて見学へ。
30代チームは10人来ていた。
保険の問題とかありそうだったので,プレイには参加せず見学。
3vs3のミニゲームと2vs2のキックバレーをグルグル回してプレイ。
各人の足下レベルはマチマチだが,総じて球際が激しい。
これは大変そうだが,来週が楽しみ。

11月8日 かぶ提灯
幼稚園のイベント。
カブを切り抜いて(ハロウィンのカボチャみたいに)提灯にして練り歩くイベント。
1745集合でワイン畑を練り歩いて19時ぐらいに幼稚園着。
そこから焚き火でソーセージを焼いて食べて解散。
気温0度,小雨交じりで夜に1時間以上を外で過ごすという苦行であった。
チューリッヒ駅からちょっと行った(ETHから降りたところの)交差点では,混雑する時間帯に警官が立って,手信号で車や歩行者をさばいている。複雑な形状だし,トラムの路線も複数あるし,機械的な信号よりも渋滞が起きにくいのだろうと推察している。

そのこと自体がすごく興味深い。定期的に切り替わる信号でもなく,トラムなどから能動的な信号操作をするわけでもなく,警官が頭で考えて手で捌くのが,一番「効率的」だということなんだろう。「AIの発達で社会に革命が」とか「ディープラーニングでどうこう」とか,そんな感じのことで騒がしい昨今であるが,たとえばこんなところにも,「なんかよくわからんけども人間がやる方が効率的」という事象が発見できるのである。高度成長時代を生きた人々に対して「成長神話乙www」という態度になってしまうのも仕方がない。

それ以上に驚いたのが,目の前にあるカフェのお兄さんが,手信号のお立ち台にいる警官にコーヒーを届けていたことだ。あれは一体どういうことなんだろうか。警官がコーヒーを頼んだのだろうか。だとすると,いつ?という疑問が。たぶんそんなことはないと思う。おそらくカフェによるサービスなんじゃないか。「ご苦労さん」ってなもんで。そうだとしたら「ほっこり案件」だ。もう一つの疑問は「いつ飲むの?」ということ。手信号は原理的に一時も休めない。「行け」も「止まれ」も両方指示するのだから。彼女(警官)は笑顔で受け取っていたし,その様子からは「いつものこと」という感じが漂っていた。謎だ。

そして「こういうことが日本で起こるかねぇ」みたいなことも考えてしまう。渋滞の強度は?移動者達はこれほど素直に手信号に従うか?信号システムの発達は世界的にリンクしているのか?警官にコーヒーを振る舞うか?(警官は職務中にコーヒーを買うか?)まさに仕事中に警官はコーヒーを飲むか?などなど。

「世界に出て行け!」「グローバル!」という御題目には辟易とするが,「日本ではないトコロに身を置いて日本を相対化して見る」というのは大変に意義深いとも思う。いやまぁ「日本vs海外」のみならず,何にでも言えることですが。自分の考え方が,いかに身を置く環境から影響を受けているか,「あたりまえ」とは何か。海外生活(旅行でも可)の醍醐味である。
10月21日(金) チューリッヒ日本人研究者セミナー
霊長類研の半谷吾郎さんによる屋久島サル研究の話。
色々と思うところアリ。
驚きは調査のロジ。信じられない。

10月22日(土) チューリッヒ動物園
広大な敷地にノビノビと動物が暮らしている動物園,みたいな触れ込み。
いやいや,動物園にいる時点で・・・とか思いつつ。
あと至る所に「人間活動のインパクト。保全に向けて。」みたいな啓蒙系パネル。
へたしたら動物自体の紹介よりも多いんじゃないかというぐらい。
(ドイツ語のみの説明パネルも多かったので,もしかしたら英語だけ読んだバイアスかも)
「一度で回りきれない」「何度も行きたくなる」という話だったが丸一日で十分。
また行こうとは,思わないかなぁ。http://ameblo.jp/momokohime7/entry-12063218917.html

10月23日(日) 日本人誕生日会
幼児持ちの家庭で集まって誕生日会。
食事持ち寄り,アナ雪系ドレスをみんなで着るなど。ちょとツライ。
全7家庭でダンナ出席が3家庭。この辺りは日本人の集会かなーと。
現地人ダンナ氏と英語でお喋りしつつ。
ナギはドレスにご満悦,リュウは主役になれず不満げ,タマは勝手に遊んでる。

10月9日(日)
グリュイエール(Gruyere)。フランス語圏。良い天気。
まずはCailler(カイエ)のチョコレート工場。アトラクションのような(英語解説付の)チョコレート史解説の後,製造ライン見学を経て,チョコレート食べ放題の領域。水分を自分で持ち込まないとノドがやけそうになる。つづいてグリュイエールのチーズ工場。ちょうど仕込みの時間だったので見学。電車が1時間に1本しかないがチーズ工場裏の公園が充実しているので時間が潰せる。子供は満足げ。家族車両(2階に遊具がある)を利用したのでまぁまぁラクチンだった。
0723地元発ー2008地元着

10月15日(土)
ベッリンツォーナ(Bellinzona)。イタリア語圏。雨。
Bellinzona駅の新築祝みたいな行事をやっていた。チョコや風船やコーヒーに酒が入ったものなど無料配布。駅前から街中心部まで延々と出店が並ぶ。チーズの試食(食べ比べて採点するイベント)もたくさん。そのままUNESCO世界遺産だという城と城壁をめぐる。まず街中の城から丘の上の2城を見上げると雰囲気があってよろしい。残り2城へは通常観光バスで行くらしいが徒歩で登った。子供連れで30分ぐらい。雨・霧で視界が悪く山頂の城から麓の城壁がまったく見えず。単なるハイキングだった。城よりもむしろ街中の教会の方が大きくステキだった。
往復はRapperswill経由。アースゴルダウ(Arth-Goldau)からベッリンツォーナの間は山越えのため電車がすごい揺れる。携帯の画面を見ていて酔った。世界最長のゴッタルドベーストンネル(Gotthard-Basistunnel)は貫通しているが旅客利用は12月以降らしい。残念。

10月16日(日)
Suuser。地元。
こっちで知り合ったワイン好きのポスドク夫妻に来てもらう。前回は4軒をめぐってsuuserを楽しんだが今回は最初に妻子も含めてsuuserを楽しんで,その後は夫妻の語りを聞きながらのワイン試飲。ワイナリーのボスの息子氏(ドイツの学校で修行中)が英語で色々と教えてくれたり。満喫。
「科研が書けん」というダジャレがネットを飛び交うのは10月の風物詩ですね。科研って言う人と科研費って言う人がいますね。ボクの周囲は科研費だったので,科研という言い回しにはいまだ違和感を覚えてしまいます。とはいえオフィシャルに科研費データベース「KAKEN」なるものがあるので,科研の方が勢力が強いのかな?でもあの「紫シール」には「科研費」って書いてあるな。しかしあのシールはマジで誰得だし,あれの総費用を科研費に回せば若手B数件は採択数が増やせると思うので,文科省なりJSPSのエロイ人達には猛烈な反省を促す次第であります。


まぁそれはどうでもよくて,データベース「KAKEN」はすごく便利ですよね。どういう人がどういう細目でどうしうネタで採択されているかが一目でわかる。もちろん科研費以外の大きなモノを持っていて応募していないケースもあるだろうが,取り続ける人は本当に隙間無く取り続けている。研究者とはいえピンキリだというのが一目でわかる。

中には「あの人がなぜ取り続けられるの?」と思う人がいないわけではない。というのは,ある時,そういうリサーチをするのが大好きなオジサンが「基盤Sを取っている人を,片っ端からWoSでCitationを調べた」とのことだったので,その通りに調べてみたのだ。一方で,学会などで発表を聞くに「あぁこの人の研究はキレがあるなぁ」と思う人であまり科研費を取れていない人もチラホラといる。

それってなんでかなと思って,直接申請書を見たわけではないけども,ちょっとした仮説を立てている。それは「科研費の採択率には人当たりの良さが影響している」というもの。

これは直接的に人の良さが影響している,つまり「審査員がアイツは良いヤツだから良い点をつけてやろうと考えた」というようなことではなく,もうちょっとフェアなもの。日頃から人当たりの良い人は,人当たりの良い文章を書けるから,「自分の研究の意義付けの部分」で「他の研究をアゲ」た上で「自分の研究もアリですよね」と書いているのではないかと。逆に「学会で見てキレ味がある系」の人は「他の研究をサゲ」ることで「自分の研究の方が優れている」と書いているのではないか,と。

「科研費の書き方」書籍なんかを見れば書いてあることなのかもしれないけど,これは中々に重要なポイントなんじゃないかと思っている。なにせ審査員は近い分野の研究者。たとえば「モデルなんて所詮は絵空事。やはり観測が最高よ。」と書いたものがモデル研究者審査員にわたったらどう思われるか。「あのモデルはすごい。この観測をすればシナジー効果でwin-winよ。そらそうよ。」と書いたものであればどうか。

ボクは基本的にネガティブな性格なので,難点をあげつらうような書き方になってしまいがち。気をつけても2,3箇所はネガティブになってしまっている。今回は,元々ボクが科研費書類を添削していたポスドク氏に,逆に査読をお願いしたところ,ポスドク氏が「ここネガティブになってますよ」と指摘してくれた。うん。素晴らしい。

今年は基盤Bのみ。萌芽も出せるけど今回はおやすみ。
現地語(スイスドイツ語)はもちろん英語での会話もダメだ。

今でもよく覚えているのは,中2の2学期あたりで14点を取ったこと。その後から英語の授業をマジメに受け始めた。関係代名詞が登場するあたりだった。中1の時にアルファベットの書き方から英語の授業がはじまり「なんだ,ローマ字みたいなもんか」と思って勉強しなかったのが諸悪の根源(?)だろうか。故ロジャー先生によるMとNの発音講座もまったく違いがわからず,嫌がらせを受けているような気分になったのを覚えている。当時はもちろんこんなに英語を使う人生になるとは思っていなかった。

そんなわけで,中1で習うような簡単な英会話の能力がスッポリと抜け落ちている。いわゆる「how are you?」「Fine, thank you, and you?」のようなヤツ。特に英語と真剣に向き合い始めたのが研究業界に入ってからだということもあり,とにかく「疑問文」がわからない。どうやって疑問文を作るか,どうやって回答するか。身体的な言語としてパッと出てこない。あと曜日や家にあるモノなど,基本的な生活用語もパッと出ない。

そんなことを抜きにしても,たぶん語学習得能力が極めて低いように思う。これは具体的にはなんとも言えないんだけど,なんとなく。耳が悪いのか,精神が悪いのか。「習うより慣れろ」の環境に身を置けばなんとかなるのかもしれないが,そういう環境に身を置くことが面倒だと思っている精神構造が,なにより問題なのだろう。

子供達は幼稚園や保育所,アパートの子供達との遊びの中で,数字や挨拶,「トイレ行きたい」などの簡単なフレーズは喋るようになっている。ヨメ氏も(第2外国語がドイツ語だったらしいが)2桁の数字が聞き取れるようになってきたらしく,スーパーのレジで言われていることがわかるらしい。ボクはもちろん(?)寮歌で覚えた「アイン・ツバイ・ドライ」しかわからない。

もうちょっと落ち着いたら(つまり科研費シーズンが終わったら)言語習得にも時間を割いてみる,かもしれない。とにかく英語だ。

ハリルホジッチ体制が続く日本代表。先のイラク戦で「香川スタメン落ち」という出来事があり,そこで代わりに入ったトップ下清武が機能,左ウイングの原口が活躍。さらに長友が練習中のケガで離脱。岡崎も足の負傷ということで「ついに世代交代か」という雰囲気。

豪州戦のスタメンは,フタを開ければ本田香川長友岡崎の「ビッグ4」から本田と香川が選出。本田が1トップに入りその後ろに香川。両翼に原口と小林悠。長谷部と蛍が並んだ後ろに左から槙野森重吉田高徳で西川。ここ数試合の「右に入った本田が中に入りすぎて渋滞」「1トップの岡崎あるいは浅野のポストプレイに難あり」「バイタル前あるいは両角奥の守備に不安」という背景を踏まえると妥当な決断か。というか,およそこんな配置が良かろうというのは(本田・香川に対する態度を越えて)各種メディアで指摘されていたこと。

スタメンから滲み出るように「守備重視」「ライン低めからのカウンター」という戦術を徹底した代表。動く範囲が狭くスピードが要求されない1トップで持ち前のキープ力を発揮する本田。課された守備タスクが明確(コースを切りながらサイドへ誘導)になって迷子にならない香川。他はもとから守備意識の高い面々。前半は完全に試合を支配して終了。立ち上がりのカウンター(原口ー長谷部ー本田ー原口)からの1点リードで後半を迎える。

後半の立ち上がりに,このメンバーで起こりうる問題点をつかれる。前掛かりになる高徳,ボールに釣り出されがちな蛍,長谷部がカバーしきれず,あわてて戻った原口がファウル。PKから失点。1-1になって気持ちで押し込まれ始める。ピンチが続くと「とりあえず後ろに下がる」をチョイスしてしまう典型的日本選手の悪癖が露呈。バイタル前に7人ほどがずらっと並んでしまうなど。2失点目も時間の問題か。先方には魔王ケーヒルが控えている。

ハリルホジッチはここでも手を打たない。引き分けを目指しあわよくば得点ということであれば,1トップにスピードのある選手(ベンチメンバーなら浅野)を配置して4-1-4-1にしたい。しかし4-4ブロックの強度を上げるために配置する中盤底の「1」を担える選手がいない。南アで阿部勇樹が担っていた役割。長谷部なら可能かも知れないが,長谷部をDFライン前に配置するとその前で守備的なタスクを担える選手がいない(ベンチメンバーなら柏木・大島・清武)。アギーレは森重をここに配置することにご執心だった。仮にこれが実現していたならば,こうした「逃げ切り」の状況で最終ラインに植田など単純な跳ね返しに特徴のある選手を入れて森重をアンカーにあげるオプションを保有できた。

結果的に本田に代えて浅野を投入するが,意図が読めない。攻撃に出るにしては中途半端。原口・香川・小林の2列目での守備強度が低下していることは解決しないまま。さらに長く性格なパスを出せる選手も乏しく浅野の裏抜けという特長が活かせない。DFラインから相手裏へのパスが数本あったが(惜しかったものの)いずれも単発でおわる。いずれにせよ他を代えないで1トップのみを代えるのであればベンチに岡崎がいたのだが。(報道以上に重傷で出場不可だったのかもしれない)

最後の選手交代は,原口に代えてCB丸山をそのまま左ウイングに置く。セットプレイあるいはパワープレイを想定したものだろう。しかしいかにも急ごしらえといった感じ。ここでも選手交代による戦術オプションの乏しさが露呈。結果的に,丸山がヘッドでの落としで惜しい場面を作ったりしたが,そのままゲームセット。1-1。

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ハリルホジッチが指向している戦い方というのが(ついに)うっすらと見えてきた。勝てると踏んだ試合では個人力量の総和で相手を押し切るような攻撃陣を配置し,簡単に勝てないと踏んだ試合では引いて守ってカウンターという人員配置・戦術で対応する。就任以来,唱えてきた「デュエル」「縦に早いサッカー」というような両方の戦術にあてはまる。攻めにいく試合ではとにかくボールを敵陣で回し個人の力量でゴールをこじあける(強く束縛するチーム戦術はない)。守りにいく試合では自陣で待ち構え相手からボールを奪ったら少数精鋭でワンチャン狙い。

この2パターンのいずれかにはまる選手を選考しているのだろう。チームの根幹は岡崎本田香川原口長谷部長友高徳ゴリ森重マヤ。そこに清武・大島・柏木(・太田)は攻めきる試合に,小林・武藤・蛍・槙野は守ってワンチャン狙いの試合で,それぞれ特長を出せる選手として適宜チョイス。

しかしこの2パターンによるチーム構成は,試合ごとには切り替えられるけど,1試合内では(3枚のカードのみでは)切り替えられないので,複数ポジションを担えるポリバレントな選手が少ないメンバーでは戦術の柔軟性に難がある。代表の場合はトレーニングでオプションを作り上げる時間的余裕が乏しいので,個人戦術に柔軟性を持つ選手を選考するしかないのだが,それはハリルホジッチの頭には無いようだ。

今回の試合での「左SB槙野」というのはいわゆる「守備強度増加オプション」だと思うが,これ以外に現在のメンバーでオプションが見当たらない(吉田も右SBができるか)。先に述べた通り,「アンカー森重」がありえるなら一気に柔軟性があがる。今回のスタメンで見れば香川を外してCB植田とアンカー森重という配置にすればゴール前の守備強度があがり,長谷部・蛍でサイドのケア(4-1-4-1)もしくは最前線への飛び出し(4-1-2-3)が可能になる。SBもウイングもできる選手がいれば4バックと3バックの切り替えがスムースになり相手の戦術変更に対応出来るだろうし,ポストプレイも裏抜けもできる選手がいれば攻撃指向と守備指向の試合内切り替えがスムースになるだろう。

って考えると,どれもこれも,ザックやアギーレが試そうとしたことなんだな。ザックが3-4-3をオプションとして保有することに執心したのは,彼個人の成功体験もあるだろうが,4バックと3バックの使い分けができれば試合中に切れる戦術カードが急激に増すからだったと思う。またアギーレが特にサイズのある選手に偏った選考をしていたのは,絶対的サイズ不足という代表の欠点を少しでも解消したかったからだろう。現メンバーだと180を超えるのが本田と両CBだけ(たぶん)。ザック時代はCB今野などさらに軽量だったが,前田ー本田と前線に2人を配置していた。しかしこれではセットプレイ・パワープレイに対して心許ない。SBに大柄な酒井ゴリを配置するのはこの問題を解消する一手なのだが,90分トータルで見ればむしろ守備強度は下がっているかもしれない。森重アンカーもこの考え方で合点がいく。

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まぁそんなこんなで,ハリルホジッチについては「戦術オプションは乏しい」「乏しいオプションの範囲内でチーム力を最大化するための選手選考」という指向が判明した。人員配置は4-2-3-1のみ。チームの根幹となる選手を代える気はない。それ以外は各ポジションに2名ずつで,攻撃に特長がある選手と,守備に特長がある選手。結局,南ア岡田時代から大きな変化がないままズルズルといきそう。明るい未来が見えないなぁ。
週末は日帰りで家族旅行(遊びの遠征)をしている。先週末はグリュイエール。まぁ中味は何でも良いんだけど,家族旅行について。

自分の実家は家族旅行をほとんどしなかった。盆正月の帰省(電車バスで1時間半)ぐらい。記憶にある範囲での宿泊付旅行は香住と京都で,香住は台風でほぼ泳げず,京都はバルセロナ五輪と重なって実父はホテルでテレビ観戦していた。それぐらいしか記憶がない。

だから家族旅行の必要性がぜんぜんわからない。単純に自分たち大人が旅行を楽しむことが目的だとすると,自分は家族と一緒だと旅行を楽しめないので,やっぱりいらない。子供に色んな経験をさせることを目的とするなら,週末に遠征する旅行でなくても良いし,むしろ日々の生活の方が重要なんじゃないかと思う。

ヨメ氏の実家は隙あらば家族旅行という具合で「休みだしどこか行こうよ」というのは「おなか空いたからごはん食べよう」ぐらいの勢いだ。おそらく自営業で家族が一緒にいるのがあまりにも当然で,というか家族が別々に行動するという状況の方が珍しいぐらいなので,”家族旅行”というのがほぼニアリーイコールで”旅行”なのだろう。

そう考えると自分の実家は,父親は団塊営業職でほぼ家にいなかったし(いても寝てたし),母親もパートに出ていたので,幼稚園の時から他人の家に預けられていて,小学校からカギっ子で,中学では熱心に部活,高校ではバイトと塾,大学からは独り暮らしと,「家族と一緒にいる」という状況の方がむしろレアだった。だから妻と子供という単位の家族構成になった今でも「家族と一緒」という状況そのものに居心地の悪さを感じるのだろう。

それぞれの子供と二人きりになれば,人間同士として付き合うことができる。でも「家族」って単位で行動するのが,何とも「気持ち悪い」。自分は一個人として振る舞いたいのだけれど「父親」という役割がまとわりついてくるからだろうか。ヨメ氏は専業主婦指向というか,昭和的な母親像というか,「家庭にあって夫を支え子供を育む妻」的なものを理想として抱いているような気がしているので,そうなるとそのカウンターとして自分には「父親」的なモノを求めているのではないかと感じないわけではない(このあたり他人の心情なので表現が大変にむずかしい)。家族旅行について不満に思ったりしていたけど,根本的には「家族像」が夫婦でかなりかけ離れていることがあるんだな。ちょっとそこについて「臭いものにフタ」的な対応を続けすぎたのかもしれない。

書き始めた時に思っていたところと違う場所に着地しちゃった。まぁそういうこともあるわな。

いま籍を置いているInstituteでセミナー発表をすることになった。聴衆はボクのことは知らないし,基本的に固体地球化学が専門。さて何を話したモノかと悩む。

並行して科研費書類を作っていて(埋めていて),そちらは完全に生物寄り。培養実験で同位体分別を決める仕事。さすがに「軽元素同位体x微生物培養」では彼らの専門とかけ離れすぎていて面白くなかろう。あとネタとしてアウトリーチ的に楽しめるものでもない。

となるとやはり「熱水x航海観測」ということになる。しかしこれはこれで,自分自身でやっている研究は大変にベーシックかつマニアックかつショボイ(流体の化学組成)。これまたウケないこと間違いなし。

そこで共著論文が出版されることもあって,一般受けも良い「掘削と掘削後」のネタで話すことに決めた。決めたものの,これは自分自身でやったと言える類のモノではなく(そもそも掘削航海には乗船していないし),鉱物学から微生物生態学まで幅広いし,どうやって一括りにしたものか,これまた悩ましい。

熱水の化学合成生態系の一般論から入って,地下生命圏になってで一区切りとして,ポストドリリングを余興的に話すか。まぁそれが妥当なんだろうな。

そして英語の問題。博士からポスドクぐらいの時は英語で発表となるとかなり気合いを入れて準備をしたものだが,年々いい加減になり,ここ3年ぐらいはそもそも発表すらしていないかもしれない。(ちょっと調べた限りではAGU Fall Meet 2012のTAIGAセッション,2015年の日中地球化学シンポぐらい)。

今が金曜夜でスライドが固まっていない状態。セミナーは水曜朝。さてさてどうなることやら。
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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