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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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『微生物ハンター,深海を行く』高井研著

献本いただいたのでレビューします。

と,何か書評らしいことを書こうと思ったのですが,あまりに身近すぎて難しいです。
どうしましょうね。

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この本には2つのテーマが(たぶん)あると思われます。

1つめのテーマは,高井研という一人の研究者のキャリアパスです。
「ナニモノか」になるべく奮闘する4畳半的青春時代の若手研究者「タカイくん/ケン」が,
「ナニモノか」である真の地球微生物学者「高井研」になるに至った経緯,
節目節目で何を考え,何をして,今に至ったのかという履歴が紹介されています。

だいたい第4話までが「タカイくん」,第6話からが「高井研」の話です。
大学院生やポスドクなどこれから「ナニモノか」になろうとする若手研究者にとっては,
(特に第4話までが)大変参考になるものなのではないかと思います。

が,一方で,
こちらのテーマは「高井研以外の一流の研究者」のものでも,
同じように参考になるのではないか,とも思え,
その意味で,特筆すべきものは感じません。

むしろこの本で特筆すべきは,もう1つのテーマである,高井研という一人の人間の人生感です。

大学進学・卒論テーマ・学位取得後の就職など,
いわゆる人生のターニングポイントにおいて,
「4畳半的青春時代のタカイくん」の眼前には複数の選択肢が用意されます。
そんな時,タカイくんはいつも,
一人で決断するでも,誰かに強いられるでもなく,
必ず「誰かに背中を押される形」で進む道を選んでいきます。

おばあちゃんや母が言います。「そら京大よ」
森くんが言います。「そら超好熱菌よ」
妻が言います。「そらJAMSTECよ」

そして晴れて「地球微生物学者となった高井研」は,
「ひとりアーキアンパーク」「ウルトラエイチキューブ」「プレカンラボ」など,
壮大な研究計画を立案し,チームを牽引し,研究を実行していきます。
しかしここでも,すでにナニモノかになっているにもかかわらず,
やはり高井研は「誰かに背中を押されて」進んでいきます。

石橋さんが言います。「たぶんそれが真実だと思うんだよ」
沖野さんが言います。「アリかもしれない」
謙太郎さんが言います。「ソレおもしろいっすね」

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まぁそういうことです。


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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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