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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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2018年の9月に透明球有人潜水船の視察のため、米国の超富豪が所有する豪華クルーザーに乗って2日間を過ごす機会があった。超富豪の所有物を見て、色々と思うところがあって、それが転じて鬱々とした状態になってしまっている。そのことを書き連ねようと思っている。

超富豪のクルーザーは2隻あって、1隻はレジャー用で、もう1隻は宿泊用。レジャー用のクルーザーには、海遊びに使うものなら何でもあった。ボード、ジェットスキー、スキューバセット、そして透明球潜水船。クルーザーを運用するための乗組員も10名程度いて、海からあがるとふわふわのタオルをファサって肩にかけられたり、揺れてるボートから移るときにはガシッと手を握ってくれたりなど、高級ホテルの従業員に劣らない丁寧な接遇だった。レジャー船にはキッチンがあって、シェフはオーナーがレストランで食事をした時に気に入って引き抜いたとかで、ベーグルにベーコンや卵焼きがつく朝食や、バーベキューコンロで肉を焼いたハンバーガーランチなど、典型的なアメリカの食事なんだけども抜群においしかった。宿泊用クルーザーはシャワールームが総大理石だったり、最上階に露天ジャグジーとバーカウンターがあったり、これまた船とは思えないスーパーラグジュアリーだった。さらにネットで調べると、バハマに島を所有していて、城のような住居と、クルーザーを数十隻は止められそうな波止場と、小型機用の滑走路と十数機は収められそうな駐機場があった。

と、超富豪の生活を垣間見て「とんでもねぇな!」と驚き続けて帰ってきた興奮が冷めた頃に、ちょっと違う感慨が襲ってきた。よくよく考えてみれば、富豪の生活や遊び方は、別にぜんぜん特別じゃなくて、ボクの生きている世界と地続きで、本質的には何も変わらないんだなって、そんな考えに至った。美味しいものを食べる時はちょっと良い店に行くとか、本州の梅雨から逃げて北海道に行くとか、ヒッチハイクや18切符よりも新幹線の方が快適とか。超富豪の暮らしってのはそういうものの極端事例でしかなくって、結局は自分が『何かやりたい』って思った時に、それをどれだけ苦労せず実現できるかっていう部分の違いでしかないんだなって。

それに気付いて、じゃあなんで鬱々とした状態になってしまうのかというと、つまり、結局のところ重要なのは自分が『何かやりたい』って思うかどうかで、それがボクにとってはすごく難しいってことを、あらためて思い知らされたからだ。



話は変わるけど、箸が転んでもおかしいって表現されるような心持ちがある。心持ちのことを言った表現ではないけども、つまり箸が転んでもおかしいと思える人がそこには存在しているということだと思う。別にそんな極端なことじゃなくても、日々の暮らしの中で、なんか面白いことがあって、なんとなく「あぁ楽しいなぁ」って思いながら過ごすことってのは、きっと多くの人にあるのだと思う。それがボクにはない。

楽しいって自ら実感することって、毎日あるんですかね?毎週あるんですかね?ちょっと想像できない。思わず吹き出してしまって笑うとか、そんな日常的に起こっているのだろうか。ボクの場合、日常の中でのポジティブな感情ってのは、何か考えて納得した時とか、新しいことを知った時とか、大体がそういう時に限られていて、それってのは直接的に感情にくるってよりは、考察した結果として感情に落ちてくるものなので、頭でっかちな感情だ。さらにそれですら、自ら率先して何か新しいことを考えようとか、知りたいとか、そういう好奇心みたいなモノに動かされているわけではなくて、大体が仕事とか生活の中で必要だから考えたり調べたりした結果として抱く感慨なのだ。

飲み会なんかでみんなが楽しそうに話している時、場合によっては自分もその会話の輪に入っているのだけども、そんな時でも、どこか別の場所からその(自分も含めた)場を眺めているような気分で過ごしている。だからその場が楽しいということもわかるし、自分もどこかポジティブな感情になっていることはなっているのだけども、その輪の全体が共有している楽しさとはまた別のところに感情があるような、そういう場所に自分を置いているような気がする。自分のネガティブな感情は自分のこととして引き受けているのに、ポジティブな感情は他人事、みたいな。ちょっと違うけど。



『何かやりたい』って動機を起点にして、自分の行動で自分にポジティブな感情を引き起こす。そういうのって、みんな普通にやってることなのかな?その起点になる感情がなければ、どれだけ富豪であっても、楽しさってのは別に大したことがない。お金があれば不愉快なことから逃げられるっていう考えは強く持っているけども。内発的動機付けがうまく構築されていないんだな。

で、そんな自分が、自分の考えに基づいて子供と接していると、子供もそうなってしまうんじゃないかとか思って、でも子供と一緒に過ごすことは避けられないから、その圧迫感もあって、さらに鬱々としてしまうのだ。
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