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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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「良い大学・悪い大学」なんて話をする時に,
多くの場合,その良し悪しの判断基準が,
「入試」と「就職」にしかない。

大事なのは,
どの門に入って行ったか,
どの門から出てきたか。

その中で何が行われているか,
あるいは,
その中に入った人がどのように変化して出てきたか,
そんなことは,関係ないのかもしれない。

それはつまり,
仮に大学が門だけのハリボテでも,
中には何もない「びんぼっちゃまの家」のようなものであっても,
そんなことは「どうでもいい」ということだ。
だって大事なのは門なんだもの。

学生(とその親)は,どの門を出入りしたかを世間に見せたくて,
社会(特に企業)は,どの門から出てきたかしか見てなくて,
大学は,良い門に見られるために装飾して,
だから誰も「その門,ハリボテじゃん」なんてことは言わなくて,
三者三様の利益のために「門」というフィクションを皆で必死に守っている。

どうしてそうなるかって言うと,
すでに大学を出ている大人自身が,
「大学で学んだ」という実感を持っていないからだろう。
「大学時代のこと」を思い出すと,
「授業」や「教授との対話」なんかよりも,
サークルやバイトなんかでの経験の方が,
よほど今の人生に影響を与えているという実感があるから,
心の中で「大学での教育なんて意味あんの?」って思っているからじゃないか。

そうなってくると,
じゃあ「門」以外の何で大学を見分ければ良いのか,
って考えちゃって,
「あぁ「門」として以外,大学には機能なんてないね」
という結論に至ってしまうわけだ。


じゃあ実際のところ,
門の内側で,大学ごとに差があるのか,ってことに注目してみると,
掲げている教育理念・スローガンや,
学部学科の構成や,
授業カリキュラムや,
特色ある取り組みや,
そういう枠組みの部分は確かに違う。

でも,
大学教員の教育に対する考え方とか,授業のスタイルって,
そういうものからは独立していて,
各教員の裁量によるところが大きい(というか,ほぼ全権)。

さらに大学教員の採用システム上,
「今年度は東大でしたが,来年度から京大に行きます」
みたいなことはザラにある。

だから,
去年は「東大教授」で今年は「京大教授」だけど,
「中身は同じ人で授業の内容も同じ」ってことにもなる。

もちろん,教員人事において,
「うちの大学の理念にふさわしい教員を採用」という選抜基準もあるのだろう。
でも,少なくとも私自身は「寡聞にして存じません」です。
基本的に研究能力(最近は特に論文業績と外部資金獲得能力)が問われ,
教育観や教育技術の巧拙などは,二の次のようです。

となってくると,
スローガンやカリキュラムなんてものは,
結局は「絵に描いた餅」みたいなもので,
「門」と同様に「ハリボテ」の一部でしかないわけだ。

最近は「グローバル人材」のため「英語教育」とか言って,
「英語ネイティブ教員を増員」とか言われたりする。
もちろん,その大学がそういう理念で運営をするのには反対しないし,
理念のために教員構成を大幅にかえることについては,
「まさにそうあるべきだ」と思う。
思うけども,同時に,
「じゃあ今いる教員は何なの?今までの教育はなんだったの?」
ということも感じざるをえない。
それはつまり,
「大学と大学教員ってのは,分断されたものなの?」
って問いと同じ意味なのかもしれない。


研究にしか興味が無い大学教員のことを,
「象牙の塔の住人」と揶揄することがあるけども,
「大学組織」は「ハリボテ門」を維持するのに必死で,
「大学教員」は「象牙の塔」に引きこもっているんだから,
学生の居場所なんて大学には存在しないわけで,
学生は何も学べない大学なんか飛び出して,仲間と街で遊びますわな。


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