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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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総理大臣とか学会長とか、
複数の人間の代理人としての職務をおい、
個々人の振る舞いを抑制(強制)しうる立場ってのは、
一般的に、社会的には「強者」だと思う
そこに異論はない

でも一方で、
震災以降の「正解のない問題」に直面していながら、
そして様々な意見があるなかで、
何らかの方針を示すというのは、
想像を絶する負担があると思う

ある意味では無責任な社会的「弱者」の無数の声を、
すべて採用するわけにはいかない
ある決断をすれば、逆の立場の人間からは、
「何もわかっていない」「弱者切り捨て」と言われるだろう

しかし、
何をやっても「それじゃダメだ」と言われる立場ってのは、
それこそ「弱者」ではないだろうか

「総理はなりたくてなったんだろ?」
と、社会的弱者の人は言うだろうけど、
今言っているのはそういう問題ではない

ボクが言いたいのは、
社会的「弱者」の人が、
自分の「弱者」として被る精神的な負担を、
総理の「弱者的な部分」にまで拡張して想像力を持ってあげられない、
そういう「心の貧しさ」についてなのです

誰もが少しずつは苦しんでるし、
誰もがある側面では「弱者」なわけです
その中で誰が「もっとも弱い立場」で、
サポートが必要か、ということは、
「私は弱者である」という自己認識・自己アピールによっては成立しえない
むしろ、
「あの人は弱っているな」という周囲の認識によってのみ、
「弱者」は初めて「弱者」になるのです

震災前のような、
特に大きな問題がなく社会システムが機能している場合、
社会システム上の弱者が、そのまま「弱者」であることが多く、
なんとなく両者を混同してしまっていたけども、
実際は、それとこれとは、わけて考えた方が良い、というか、
立場というのは相対的なものだし多面的なものだから、
誰もが「弱者」になりうる可能性を持つわけです

そう考えた時に、
「今、誰が弱者か」と想像力を巡らせ、
「弱者」に手をさしのべることが、
「自分は少なくとも弱者ではないな」と思う自分にできることだと思います

浜岡原発について、「止める」か「止めない」か、という二択を迫られ、
その決定の遅延すらも重大な問題となりかねない状況の中では、
何らかの決断をする必要があるし、
根回しや談合で決められるような事象ではない
そういう状況に置かれた総理は、
社会的に「権力者=強者」であったとしても、
ボクは「弱者」だと思う
だからボクは、
明確に総理の決断を支持します

それは電力や経済やと生命のリスクとか、
そういう理屈で「停止すべきと考えたから、支持する」とかそういうことではなく、
弱者である総理の決断を支持するのです


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理事がかわり、つまりはラボヘッドがかわったので、
恒例の「理事を囲む会」開催
ビールを片手にはじめて、
気付いたら4時間やってました


まずリーダーから「プレカンラボ闘争史(3度の絶滅危機など)」とともに、
「これからは化学じゃなくて物理なんじゃー!」的な妄想話
最近、中間管理職と労働者の図式でしか会話がなかったので、
一研究者としての妄想話を聞けたのは良かった
あいかわらずエネルギッシュ

シブゾーさんからはいつもの話、わかりやすいバージョン
あいかわらず、ステキな研究だとしみじみ
ちょろっとフレームを変えてやると、
あとはすべてうまく説明できてしまうというのは、
研究でも実生活でも非常に重要よね

カッツさんもいつもの話
理事のリアクションを見ながらの手探り発表で、
いつもより相当ゆっくり、抑えめのテンションが印象的

ケンタローさんは「プレカンエコシステム研究四次元殺法論」
エネルギー論は今も昔も宇宙の片隅でも適用可能で、
時空間を超えた一つの真理なので、
それを武器に色々と考えられるのは強みだな
しかし博識っぷりがとどまることを知らない

ボクは「高精度GPS時代の伊能忠敬的研究」
伊能忠敬ネタをプレゼンファイルに載せるのはこれが初めてだったが、
リーダーに先にペロッと出されてしまい意気消沈
消沈したまま終了

ブーマナさんは接待モード
偉いオジサン相手の時はスイッチを入れてくる
今回はGWの遊びの予定をすべてキャンセルして実家に引きこもり用意したらしい
とはいえ、話はいつも通り、相当にグダグダ
やってる研究は面白いはずなんだから、もったいない

ヤマさんは天然電池系と代謝系
面白かった
エネルギー差が連続的ってのが重要なんだろうね

ミヤジュンは完全にプレゼンの方向性を誤った感じ
途中でウンチしに行ったのであまり聞いてないけど


理事の総括としては、
「チミたちはプレゼンがヘタクソね」
「個々バラバラにやってて「ラボ感」が足りなくね?」
ってな具合
その他、重要なコメントもいくつか
理事になるような人は視野の設定がすごく広いし、
キャッチーな部分をすくい上げるのが的確だなぁと感じる


帰りはいつも通り徒歩でシブゾーさんと反省会(?)
いつも結論は一緒で、もう一人必要だよね
 
金曜に残念なお知らせがあって、
それでめっきりモチベーションが低下して、
土日は働けど成果出ず、
結果的にはゴロゴロしているのとさほど変わらぬようでした
いかんね


ボクって人間は、
パブリックイメージ(?)と実態に結構な落差があって、
実態としては「繊細で気弱」な人なのですよ
なのですが、
世の中の人々は「豪快で厚顔無恥」的な印象を持っているようで、
そういう態度で接されることが多いのです
それがシンドイのです

まぁ仕方がないことなので踏ん張ってますが、
たとえば家庭とか、所属ラボとか、
そういう骨身を置くような場所では、
実態を把握してくれている人と一緒にいたいのですね
現状、概ね良好な状況に居させてもらっていますが、
今後それがどうなるかはわかりませんし、
そうなった時に、
自分がどれぐらいダメージを負うかは予想できません
しかしまぁ、修士時代を思い起こすと、
相当にダメージを受けるのだろうな、という気がします
しなやかな人間になりたいです

 
4月14日出港
出港してすぐに、
「本航海は自動販売機が利用できません」
という通告
船籍がむつにあって、自販機も東北の会社のものらしく、
「被災地優先」ということで補充がきかなかったらしい
残念だが仕方ないので、水をすすって暮らす

地震緊急調査ということで東北沖でCTD採水
(原発絡み、福島沖というのは誤報ですよ)
横浜から丸一日ちょっとで到着して観測開始
採水器と一緒に降ろしたセンサーが「マジかよー!」な感じで、
ぶわーって採水して、
ぶわーって船上分析して、
30時間の地震調査が終了

その後、K2と言う北緯47度で観測
水温2度、気温2度の中、
水を汲んだり、網を引いたり、筒を洗ったり
手足がかじかみ真っ赤っか
普段は沖縄・マリアナ・モーリシャスと、
南国フルコースで調査しているので、
この寒さは本当にこたえた
100時間ぐらい観測して南下

同じような観測セットを北緯30度でも
「これでよろしく!」とビール6本を受け取ったが、
6本で12日ぐらい働いたので、
日給100円ぐらいだな 
なんてこったい

「普段しない観測手法を見られて勉強になりました」
なんて思うわけもなく、
なんだかなぁと思いながら観測を続けたわけでした

途中、しんどいし虚しいしで、
上司へ「これで無報酬はやっとれんわ!」とメールしたが、
上司から「お前だけがしんどいんとちゃうわ!」と返信
そりゃそうだと思い謝罪
しかし、
「ベンチがアホやと野球ができへん」
「事件は会議室じゃない、現場で起きてるんだ」
に変わりないという意味で、
ボクも上司も大変に疲労コンパイルです
(これは下船後も継続中)


良いこともいくつかあった

まずプロレス好き研究者、しかもディック東郷信者というから、
本当にプロレスをわかっている人に出会えた
同じ会社なので、今後もコンタクトをとっていきたい

船内セミナーでは「地震生命圏ネタ」を一般層相手に試し切りができた
反応も上々
話の流れで、地震生命圏に加え放射能生命圏が出てくるので、
現状、やや不謹慎的ではあるが、そこは気にしない

研究調査船はこれで11船目
通算22航海252日
日数は多くないのだが航海数が多い


なんとも疲労度の高い航海であった
あとは方々にお願いした分析値が返ってくるのを待つのみ
どうなることやら

愛のリーチと身体のリーチがある

たとえば東日本で震災に苦しむ人や、
途上国で飢餓に苦しむ人を考えると、
胸が痛む
それは、
愛のリーチは無限に広がるからだと思う

でも、
今まさに東日本や途上国や、世界の至る所で、
本当に苦しんでいる人がいるとわかっていて、
何とかしてあげたいと思うんだけど、
でも自分の身体は、
両手を広げても2mもなくて、
頑張って走っても1時間で10kmぐらいしか進めなくて、
貯金を絞り出しても100万円がせいぜいで、
そんな「愛と身体のリーチが違う」人って多いと思う

そういう時に、
愛を小さくして、身体のリーチに合わせると、
それは例えば自分の家族のために動くことになるだろう
その結果が、
つまりは「家族のためを思ってこその結果」が、
水やガソリンの買い占めなんだと思う
例えば親戚が原発の近くに住んでいて、
政府の指示が曖昧なことを批判する人もいるだろうけど、
これも同じことだと思う
当事者で声の出せない人に代わって、
余裕のある人が大きな声を出しているんだろう

反対に、
愛のリーチをそのままに、
身体のリーチを愛のリーチまで伸ばそうとして、
「何ができるだろう」って考えて、
でもそんなのムリだって気付いて、
自分の身体を否定する人達もいる
「苦しんでいる人に何もしてあげられない」
そういう考えに陥っているのは、
たぶんそういう理由だと思う

でも、そうじゃないと思う
愛のリーチと身体のリーチが異なるのは当然で、
だからそのままで良いんだよ
愛のリーチを長く長く、地球の裏側まで届かせながら、
身体のリーチが届く範囲の人に、
今の自分の身体でできることをやれば良いんだよ
難しいことじゃない
簡単なことなんだ
だって、できることをやるだけ何だから


先に案内した、
ボクの個人的な支援活動であるけん玉プロジェクトについて、
多くの方から賛同をいただきました
ありがとうございます

すでにけん玉100本の購入を終え、
ボクの航海が終わり次第、現地に届けに行く予定です

ここまでに、
購入費用として9万円を使いました
今後、現地への移動費(往復)にもお金がかかります

ボクは自腹でもやるつもりですが、
けん玉プロジェクトの趣旨に賛同される方、
あるいは、
月3万円の小遣いでヤリクリするボク(泣)に同情する方、
ぜひとも募金をお願いします

なお、顔の見える関係もコンセプトの一つですから、
募金は手渡しでしか受け取れませんのでご了承ください
海洋研関係者はゼニモトかオオツカにお願いします
それ以外の方はボクに意思表示のメールを送ってください
いつの日か必ず集金します

上記金額を超える募金が集まったら、
さらなるけん玉購入に使います
 
東北地震特別セッション
はじめ日本人が「起こったこと」の説明
続いて外人さん
「2つの常識が吹き飛んだ」と、アスカ君と同じ事を
「我々が認識せねばならないことは、
津波は第一波が最大とは限らないということ」
その後の保険屋の話は、
ボクの好みではまったく無いので聞き飛ばし

午後は街を散策
幸福感溢れる時間
夜は「ウィーンでもっとも有名なシュニッツェルのお店」で、
「家族」「専業主婦」「信用」を語る

22時に寝て3時に起きる
トーナイさんと別れる前の1時間
「愛」について語り合う
ようするに「愛」なのだよ

 
3日目は特に見るべきモノもなく、
もう一つの会場へトーナイ氏とともに赴く
すばらしい、すばらしいよ
夜はノマキさんも一緒に謎の店
大量のリブだったが、おいしかった
ちなみにホテル・出メール・ホテルで、
ザッハトルテ三連発でした

4日目は自分のポスター発表
ナディ・ルブリスおばちゃんと、
他にもう一人のおばちゃんが来て、
いずれもすばらしいと言って帰った
ダグはあいかわらずイケスカナイ奴だった
日中は某「核の番人」組織におじゃましてお話
生臭い話がいっぱいで楽しかった
夜はメタンディナー
特に交流もなく


 
気象学会声明を端緒に、
「情報統制」と「研究者の自由」のような議論が行われている
ボクは「非常時の情報統制は必要」と考えている
というのも「情報公開」には「意味がない」と考えているから
それについて述べる
 
 
最近、2人以上の医者にかかり、
もっとも納得したものを選択する「セカンドオピニオン運動」が盛んですが、
これが意味するところは、
「患者は医者と同等に医学を理解している」か、
「患者は医学的根拠以外の部分で医師を選択している」かの、
いずれかである、ということになります
前者であれば患者は医師にかかる必要がない
(だって自分で医師レベルのことが判断できるんだから)
ということで、
実は後者の判断、
つまり、
「専門家」の意見を、その意見の質でなく、
「専門家の非専門分野」で判断していることになる
 
たとえば「ソーカル事件」のように、
医師がまったく医学的に根拠のないデタラメを言っていたとしても、
患者がその医師を信用すると決めた以上、
意味のない施術が採用されることになる
 
これを今回の情報統制論に置き換えると、
「情報統制するな、公開しろ」ということの意味は、
「複数の情報の意味を精査して取捨選択できる」か、
「複数の選択肢から(なんとなく)納得するモノを選択する」
ということになる
 
この場合の情報は科学的なデータなので、
科学者なら前者の振るまいも可能かもしれないが、
多くの国民は科学者ではなく、後者の判断基準を用いる
 
この視点に立った時、
本当に複数の情報は必要なのだろうか
どれだけ選択肢が存在しても、
その中から「正しいモノを一つを選択する」のは、
まったくの主観に基づくものであって、
そこには「その人の論理」はあっても「皆に共通の論理」は存在しえない
 
であれば、
情報が1個でも、100個でも、世の中にあるすべての情報が公開されても、
その中から適当に1つを選択するという事実に変わりはないし、
その情報ソースが東大教授か東電か政府かその辺の主婦か小学生かも、
主観によって選ぶ以上は、実質的には、何の意味も持たない
 
だから、世の中に流れる情報は、
専門家によって精査された(必ずしも全会一致である必要は無い)、
単一の広報機関からによるものに限定した方が、
「ランダムに情報を選択する一般人」が、
「より確からしい情報を選択する」蓋然性が高くなる、
という結論に至る
 
災害後の混乱時において政府が危惧することは、
一般人が予測不能な行動で制御がきかなくなること
それを避け、できるだけ予測可能な行動をとってもらうには、
情報を限定し、似たような判断を下してもらうことが有効
 
そういう論理により、
ボクは今回の「情報統制」を支持するわけです
 
 
「お前がすべての情報を包み隠さず出せば、私は正しい判断ができる」
という主張は、同時に
「お前はまだ何か隠しているから私は正確な判断ができないのだ」
と言い続けることができる
その「卑怯な」立ち位置で何かを批判することに、
ボクは同意できない
 
「情報統制されている」というのは自己判断の感覚なので、
仮に「情報統制されていない環境」でも「情報統制されている」と感じ、
それを永久に叫び続けることができる
それは「国民の専門家に対する信頼の欠如」による
 
一方、
「国民は理解できまい」として情報を出さない専門家も、
「国民を信頼していない」とみることもできる
しかし、実際には、上で述べたとおり、
国民は科学的データを非科学的な基準で選択するわけだから、
科学リテラシーの点で「国民を信頼しない」のは妥当な判断であると言える
 
 
ある特定の少人数の専門家集団が、
すべての専門家を代表する「正しい回答」を示せるわけではない
一方で多様な意見が存在しても、その中に「正しい回答」は存在しない
なぜなら未来予測において「正しい回答」などというものは存在しないから
 
「予測の正否」を気にすると「予測の多様性」が重要になる
しかし今、原発の放射性物質の飛散において、
本当に「飛散予測」が大事なことなのだろうか
ボクはそうは思わない
大事なことは「網羅的で密な実測」である
現状、どんな風向きになろうとも、
短期的な被害は起こりえない量しか放出されていないわけで、
であれば、今必要なことは、
不確実性の高い短期的な予測よりも、
まさに事実である観測値の報告だろう
その観点からも、
「予測の公開は混乱のもとなので控えよ」という見解は、
非常に妥当なものだと考える
 
 
これはココまでの議論とは違うけども、
たとえば学会の上層部のごく数名で、
国民にとって唯一の情報となる「公式見解」を作成する
それは現行の民主主義的な手段によって、
国民が科学研究を委託した科学者集団の中から多数決で選ばれた人々であって、
まさに国民の信託を受けた人達による見解なのだから、
それを「上が勝手に決めたこと」と非難するのは、
民主主義自体を否定している
「私は民主主義者ではない」と言っても、
今、この国が民主主義で運営・進行しており、
その正規の過程で選ばれた人は、
国民が信託したことと等しい意味を持つ(あくまで原理的には)
 

 
「安定同位体大気化学」と「非質量依存同位体比」のセッション 
修士までやっていた研究
いわば古巣
外人さんにも知り合いが多く、
向こうから声をかけられる

トーマス・レックマンに、
「うちの学生が分析法でうまくいかないらしいから、
ちょっと発表聞いてコメントしてくれよ」
などと、うれしいことを言われる
なので、
「じゃあお前の最近の水素ガラミのネタ教えろや!」
と言って話し込む
楽しかった

若ハゲイケメンのヤンカイザーは、
JAMSTECのチキ・カトのところに留学していたとのこと
1998年ぐらいの話らしい
CFC-121か何かの塩素の同位体を、
何やらステキな感じで測定していた
観測と実験がキレイにフィットしてエクセレントだった

MIFディナーに行ったモノの、
かなり末席で、
CLが気になっていたのにテレビがない店だったから、
お先に抜けて帰宅
先に戻っていたトーナイ氏と後半だけテレビ観戦
現地映像でナガトモとウッチーを見るのは感慨深いね

昼夜でビールを1.5L飲んで、
でも水は飲んでなくて、
カピカピで就寝
プロフィール
HN:
kawagucci
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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