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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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ヤマネと会った

震災後、初めて会ったヤマネは、
少し痩せたものの相変わらずもっさりしていてひげも汚く伸び、
はっきり言ってブサイクに拍車がかかっていた
まぁ見た目についてはこんなもんだろう

ヤマネはボクが3年の時に入ってきた1年で、
キャラ的にはさほど目立つ存在ではなかった
ゴージャス松野に似ているということでゴージャスと呼ばれ、
それなりの地位を築いていたようにも記憶している

バタフライを専門としていたことから、
それほど長い期間ではなかったが、
濃密な関係が築かれていった

ヤマネはマイルドな人当たりで誰とでも仲良くなり、
その(ブサイクな)笑顔は周囲の人を幸せにする不思議な力を持つ
一方で、東北人特有の頑固な一面もあり、
先輩に対してもノーと言える芯の強さがある
ボクに対しては舐めた態度をとることもしばしばである

その後、ヤマネは水産学部で函館に移行し、
ボクも中野の海洋研に移り、会うこともなくなっていたが、
ボクがD3になった年、
ヤマネがドクターから海洋研の大槌沿岸センターに入学した
ボクも研究室の後輩ナリタ (これも水泳部でヤマネの1つ下)の研究で、
大槌センターに春秋と訪問して観測しており、
ここでまた、ヤマネとの関係が復活した
しかもヤマネはコウチャンの下でLA-ICP-MSなどを使っていたので、
周辺の人間関係はより濃密になっていった

ヤマネは沿岸魚類の回遊・生態学を研究対象として(たぶん)、
手法として先にあげた通り先端分析化学を利用している

ヤマネ自身は大槌の北にある宮古の漁師の長男で、
ヤマネ父は、息子が業界入りする前から、水産研究の協力者として、
海洋研の教員などとも一緒に仕事をしており、
いわゆる地元の名士というようなポジションだという

つまりヤマネは、
今回の津波を目の当たりにした被災者であると同時に、
宮古・大槌の水産業を、産・学の両面から支えるという、
大変に希有な存在であるから、
復興における重要なキーパーソンなのである

そして、
誰よりも本人がそのことを強く自覚している

久々の再会でそのブサイクな笑顔を眺めながら、
本当に他愛もない話をしていたのだが、
復興の話になった途端に、目が変わり、強い口調になった
「ボクがやらないでどうするんですか」
そう言ったかどうかは忘れたけど、
そう考えていることはヒシヒシと伝わってきた
ボクは泣きそうになった


ヤマネコウダイという男がいる
ボクはヤマネを応援する
どんな支援も惜しまない

男ヤマネごっつぁん!

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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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