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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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研究業界でもスポーツ界でも「日本人の特徴」みたいなことが議論される。丁寧で細やかで組織だっていて俊敏で勤勉で,みたいな。でもなんか本質的な意味合いと違うというか,表層的というか,そういう気がしている。

エディジョーンズは「日本はフィジカルが弱い」というステレオタイプの逃げ口上を許さなかった。
ボクはそのことが凄く印象に残っていて,勝利そのものよりも,そこに最も大事なことがあると思う。

「日本人はこういう特徴があるよね」ということについて,あらためて点検する必要があるだろう。
もちろん,そもそも「日本人」なんていう大括りで何かを語ろうというのは危険だ。
危険だけども,なにかボンヤリとした一般的な方向性ぐらいは見出せるはずだ。

1つ。
局所最適。
あるいは,局地戦に勝てば総体として負けても仕方ないの精神。

もう1つ。
経験主義。
あるいは,論理的一般論を安易に棄却する経験への自尊心。

この2つは,スポーツでも研究でも政治でも,痛烈に感じる。

たとえばサッカーだと,
日本代表でもJリーグでもうちの草サッカーチームでも,
共通する特徴として,守備時にボールサイドに寄りすぎる。
つまり直近目前の目標(=いまボールを奪う)に集中しすぎるあまりに,
本来達成すべき大目標(=いつかボールを奪う・ゴールを奪われない)を忘れている。
忘れているというか,意識したこともないのかもしれない。


それで,じゃあこれを解消するには何が必要かと考えた時に,
「うまく負ける」ってのが大事だなと。

落合博満が長嶋茂雄”監督”を評して「全試合で勝とうとしちゃうからね」と言った。
落合”監督”は 「今日は井端のサードゴロが一番の収穫といえば、収穫だな。意味? ああ、君たちはわからなくて結構」 と言った。
その意味を井端は「右打ちしなければならない条件のある場面では、そういう2番の仕事をしなければいけない。でも、それ以外の場面だったら、左へ引っ張ったほうがいいこともある。チャンスも膨らむし、点も入る。」と解説した。
つまり「今日の試合は負けたが,しかしチーム力を最大化するために,井端という一選手が(思考を放棄した右打ち一辺倒ではなく)自ら戦況を見極め適切な手段を取ることに開眼した,そこがチームとして収穫であった」ということ。

「負けても良い局面では理想に挑戦する。勝たねばならない局面では,計算の立つ手段を選択する」と言い換えることができるかもしれない。
負けても良い局面で計算の立つ手段ばかりを選んでいたら能力が向上しない。
勝たねばならない局面で計算の立たない理想に殉じては負けてしまう。

そういう局面を読む力の問題かもしれない。
個々人が局面を読みつつ,その個々人の読みが組織全体で一致する。
そういう状態の組織こそが「組織力がある」のだろう。
いまの日本では「上意下達で駒となって動く」ことを「組織力がある」というが,それは違うだろう。


まとまらないけどー。
自分の学生が「井端のサードゴロ」をやってくれたら嬉しいだろうな。
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