自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
今日は二点。
【パスが少ないのは「うまい人」が「へたな人」にパスしないから】
ちゃんとした統計データを見ていないけど,これは明白。
素人サッカーでも「うまい人」は自分が認めている人にしかパスしない。
「へたなヤツにパスするより自分が持っている方が安全」ということでしょ。
もう少し踏み込むと,
パスを出す時の判断には2つあって,
「自分はこの隙間にパスを通せるか」ってのと,
「受け手はこのパスを受け止められるか」ってこと。
前者が「勇気を持ってパスを出す」ってヤツで,
後者が「仲間の特徴を知る」「信頼」ってヤツでしょう。
ここで話題にしているのは後者の不足からくるもの。
今回のチームで言うと香川は本田を探す。本田は香川を探す。
この二人については,あと長友と遠藤ぐらいしか見ない。
それ以外の場合はボールを持ち続ける。
確かに一瞬の局面だけを取り上げると,その方が良いのかもしれない。
でもサッカーは22人がフィールドにいるチームゲームで,
通常ロースコアゲームになることからもわかるように,
(バスケは100点入るけどサッカーは5点程度ということ)
守備の方が圧倒的に有利なゲーム。
ボール(を持った人)が停滞したら奪われてしまうのは自明。
最後の一年,柿谷と大迫がトップに入ることが多かったけど,
本田と香川は,柿谷にはパスをしたが大迫にはしなかった。
柿谷は「信頼」していたけど,大迫はそうじゃなかった,ってこと。
それは親善試合でもアリアリと伝わってきた。
ザックはその辺りの機微に気付いてか気付かずか本番で大迫を採用。
その点について言えば,采配ミスと言えるかもしれない。
【「人のベクトル」と「ボールのベクトル」が重複】
「人は70kgの塊なので惰性で動くけど,ボールはワンタッチで方向が変えられる」
この事実を,いかに上手に操るかがサッカーのキモ。
「相手の逆を取る」とか「外す動き」ってのは,
相手の体がすぐに方向転換できないことを操ることを意味する。
「前に速いサッカー」だからといって,
攻撃側が人もボールも同じように前向きにしか進まないのでは,
守備側はずっと後ろ重心で対応すれば良いのでイージー。
でも,攻撃側の人が前に動きながらも,ボールは前後に動かせば,
つまり比較的長い前へのパスと短い後ろへのパス(落とし)を組み合わせれば,
守備側の重心は前後に揺さぶられる。
守備側がずっと後ろ重心で守備をすれば,
「落とし」を受けた選手の前にはスペースが出来る。
守備側が「落とし」にプレスをかければ,
その裏に攻撃側が走り込むスペースが出来る。
ザックジャパン前半の常連だった前田は,
ワンタッチで「落とし」をした後に,
「落とし」の角度から180度(正反対)方向に自分の体を動かしていた。
ボールに近づいて触ったらボールから離れる。
相手が自分を追えば落としを受ける人がフリーに,
相手がボールを追えば自分がフリーになる。
この動きを繰り返すことで相手最終ラインに混乱を作りだし,
香川や岡崎が侵入するための最終ラインの隙間を作り出していた。
前田が調子を崩して以降,
色んな人がワントップに入ったけども,
この動きを継続して最終ラインに隙間を作っていたのは大迫のみ。
「人とボールが同じベクトル」の最たるものが「ドリブル」。
本田や香川は受けたボールを持ったまま前にあがっていく。
守備側は彼らのスピードに合わせてブロックを後退させれば良いだけ。
結果的に,相手がしっかりと引いたブロックを作ってしまう。
これで岡崎が斜めに切り込む得点パターンが使えなくなる。
(相手ブロックが低くなるとGKとの間に隙間がなくなるから)
自分たちが「前に攻める」ことに固執した結果,
自分たちで相手の守備を強固にしてしまっていては結果が出るはずがない。
ちなみに柿谷の特徴は,
後ろから来たボールのベクトルに自身の動きを合わせて,
受ける瞬間から前へのベクトルを最大化してゴールに迫るもの。
(普通はトラップ動作と体の加速が別々になるのでボールのベクトルが止まる)
これは相手最終ラインの後ろにスペースがあれば活きるが,
低めでガッチリしたブロックを相手にまわすと何もできなくなる。
また日本が香川と岡崎で仕留めることを目指していた以上,
チーム全体の動きとしても噛み合わない。
Tweet
【パスが少ないのは「うまい人」が「へたな人」にパスしないから】
ちゃんとした統計データを見ていないけど,これは明白。
素人サッカーでも「うまい人」は自分が認めている人にしかパスしない。
「へたなヤツにパスするより自分が持っている方が安全」ということでしょ。
もう少し踏み込むと,
パスを出す時の判断には2つあって,
「自分はこの隙間にパスを通せるか」ってのと,
「受け手はこのパスを受け止められるか」ってこと。
前者が「勇気を持ってパスを出す」ってヤツで,
後者が「仲間の特徴を知る」「信頼」ってヤツでしょう。
ここで話題にしているのは後者の不足からくるもの。
今回のチームで言うと香川は本田を探す。本田は香川を探す。
この二人については,あと長友と遠藤ぐらいしか見ない。
それ以外の場合はボールを持ち続ける。
確かに一瞬の局面だけを取り上げると,その方が良いのかもしれない。
でもサッカーは22人がフィールドにいるチームゲームで,
通常ロースコアゲームになることからもわかるように,
(バスケは100点入るけどサッカーは5点程度ということ)
守備の方が圧倒的に有利なゲーム。
ボール(を持った人)が停滞したら奪われてしまうのは自明。
最後の一年,柿谷と大迫がトップに入ることが多かったけど,
本田と香川は,柿谷にはパスをしたが大迫にはしなかった。
柿谷は「信頼」していたけど,大迫はそうじゃなかった,ってこと。
それは親善試合でもアリアリと伝わってきた。
ザックはその辺りの機微に気付いてか気付かずか本番で大迫を採用。
その点について言えば,采配ミスと言えるかもしれない。
【「人のベクトル」と「ボールのベクトル」が重複】
「人は70kgの塊なので惰性で動くけど,ボールはワンタッチで方向が変えられる」
この事実を,いかに上手に操るかがサッカーのキモ。
「相手の逆を取る」とか「外す動き」ってのは,
相手の体がすぐに方向転換できないことを操ることを意味する。
「前に速いサッカー」だからといって,
攻撃側が人もボールも同じように前向きにしか進まないのでは,
守備側はずっと後ろ重心で対応すれば良いのでイージー。
でも,攻撃側の人が前に動きながらも,ボールは前後に動かせば,
つまり比較的長い前へのパスと短い後ろへのパス(落とし)を組み合わせれば,
守備側の重心は前後に揺さぶられる。
守備側がずっと後ろ重心で守備をすれば,
「落とし」を受けた選手の前にはスペースが出来る。
守備側が「落とし」にプレスをかければ,
その裏に攻撃側が走り込むスペースが出来る。
ザックジャパン前半の常連だった前田は,
ワンタッチで「落とし」をした後に,
「落とし」の角度から180度(正反対)方向に自分の体を動かしていた。
ボールに近づいて触ったらボールから離れる。
相手が自分を追えば落としを受ける人がフリーに,
相手がボールを追えば自分がフリーになる。
この動きを繰り返すことで相手最終ラインに混乱を作りだし,
香川や岡崎が侵入するための最終ラインの隙間を作り出していた。
前田が調子を崩して以降,
色んな人がワントップに入ったけども,
この動きを継続して最終ラインに隙間を作っていたのは大迫のみ。
「人とボールが同じベクトル」の最たるものが「ドリブル」。
本田や香川は受けたボールを持ったまま前にあがっていく。
守備側は彼らのスピードに合わせてブロックを後退させれば良いだけ。
結果的に,相手がしっかりと引いたブロックを作ってしまう。
これで岡崎が斜めに切り込む得点パターンが使えなくなる。
(相手ブロックが低くなるとGKとの間に隙間がなくなるから)
自分たちが「前に攻める」ことに固執した結果,
自分たちで相手の守備を強固にしてしまっていては結果が出るはずがない。
ちなみに柿谷の特徴は,
後ろから来たボールのベクトルに自身の動きを合わせて,
受ける瞬間から前へのベクトルを最大化してゴールに迫るもの。
(普通はトラップ動作と体の加速が別々になるのでボールのベクトルが止まる)
これは相手最終ラインの後ろにスペースがあれば活きるが,
低めでガッチリしたブロックを相手にまわすと何もできなくなる。
また日本が香川と岡崎で仕留めることを目指していた以上,
チーム全体の動きとしても噛み合わない。
PR