自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
2020年10月26日菅義偉首相『国内の温暖化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」』
2021年4月23日小泉進次郎環境相『2030年までに46%削減』
エネルギー問題と環境問題は、どちらも問題だけど、別問題だ。
違うけど似てる。
似てるけど違う。
エネルギー問題とは、
[1]地球上で埋蔵資源が必ずいつか枯渇すること
[2]現在のエネルギー供給は埋蔵資源に依存しているので困ること
という前提となる枠組みがあって、
そこに経済的視点が加わって、
[3]埋蔵資源は地理的に偏在しており最後は国家間の交渉になること
[4]日本には埋蔵資源がないので上記交渉では不利となること
[5]日本が埋蔵資源を輸入し続ける限りは経済的不利を被り続けること
ということになる。
これらを解消する手段には、
[a]世界的な再生可能エネルギー利用増大による埋蔵資源の省消費
[b]日本国内の再生可能エネルギー利用増大
があげられる。
環境問題では、
[6]火力発電時の二酸化炭素排出による気候変動・海洋酸性化などの問題
[7]放射性廃棄物など、発電や発電機器を製造に伴う廃棄物による環境汚染
[8]バイオマス発電など、発電に利用する材料生産に伴う生態系の大規模な破壊
[9]メガソーラーや水力発電など、発電機器の設置に伴う生態系の大規模な破壊
などの懸念がある。
問題[6]の「二酸化炭素排出」を解消するには、
[c]火力発電の総量を抑える
[d]火力発電で発生した二酸化炭素を空気中に排出しないで隔離する
という打ち手がある。
手段[d]は、数ある問題のうち課題[6]だけを解決する。
気候変動による災害の激甚化や一次生産への影響は、世界各地ですでに起こっている。
二酸化炭素は蓄積するから、早く手を打つほど効果的だ。
先の政治家の発言が年限をきっているのも、そういう意味だろう。
そして「実質ゼロ」は明らかに手段[c]だけでなく手段[d]を念頭においている。
なぜなら手段[c]だけで「排出ゼロ」を実現したら、「実質ゼロ」ではなく「本質ゼロ」だからだ。
ここでエネルギー問題に立ち返る。
手段[d]は、エネルギー問題[1-5]をまったく解決しない。
エネルギー問題を解決するには、再生可能エネルギーへの転換(手段[c])が必須だ。
そして日本は、経済安全保障の観点(問題[3-5])から、エネルギー転換を急がねばならない。
手段[c]を早急に進めることは、単に環境問題の解決ではなく、国の行く末を担っている。
じゃあ『火力発電+二酸化炭素隔離:手段[d]』に意味がないかというと、そんなことはない。
手段[d]は、移行期的な措置としては、意味がある。
再生可能エネルギーの利用を拡大するのに課題[7-9]には注視しなければならない。
課題[7-9]には、これまでにない課題も含まれるから、予期せぬ新たな問題が起こる可能性もある。
事実、山間部へのメガソーラー設置に伴う生態系変容は実施後に発覚し、問題となっている。
エネルギー源ごとに、従来にない新たな環境影響評価が必要である。
また、再生可能エネルギーの産生には、技術的にまだ改善の余地がある。
とりわけ、スマートグリッドによる最適化が必須であるが、システムは未整備である。
『2030年排出46%削減』を、手段[c]のみで実現することは、かなり困難である。
10年間で再生可能エネルギー自給力を現在の数倍まであげるのは、現実的ではない。
手段[c](エネルギー転換)を早期に進めるが間に合わず排出過剰となった分について、
手段[d](二酸化炭素隔離)による「実質削減」で補填するというのが、現実的な路線だろう。
『ところで、その"かくり"ってのはどうやって実現するんだい?』
「そりゃお前、虎の威を借るのさ」
『お上から押しつけるってのかい』
「押しつけたってどうにもならんよ」
『じゃあどうやるのさ』
「決まってるだろ、虎といえば」
『阪神タイガース』
「かくりといえば」
『郭李』
「そう、90年代のダメ虎を支えた郭李」
『あの暗黒の....(はっ!)』
「(それや!暗黒の深海に隔離や!)」
以下は学術会議の某分科会で用意したけど使われなかった文章
ver190503 kawagucci
電力は現代社会生活に不可欠であり、安定的な電力供給は憲法25条にうたわれる生存権を保障するものです。
日本のエネルギー自給率はここ数年、10%を下回っています。
低エネルギー自給率は、国内エネルギー消費量(14*1018J/y)に対し、国内産生エネルギー供給では及ばない大部分を、輸入燃料資源の利用に依存していることを意味します。
輸入燃料資源への依存は、経済性や安全保障上の問題があり、国民生活の持続的発展において巨大なリスクです。
たとえば家庭部門のエネルギー消費は全体の15%ほどですが、これさえも国内産生エネルギー供給ではまかなえていないのです。
照明のLED転換などによるエネルギー消費量抑制が期待されますが、国民生活や産業活動の発展を考慮すると、大幅な消費量削減は極めて困難です。
つまり、エネルギー問題の根本的課題は『国内産生エネルギー供給"力"の向上』にあります。
我が国にはわずかな埋蔵燃料資源しかありません。
深海底メタンハイドレートなど非在来型埋蔵資源採掘に期待が寄せられていますが、埋蔵量評価や採掘技術開発はいまだ不十分で、経済合理的に利用できる可能性は不透明です。
我が国はその地質・地形的特徴から、多様な再生可能エネルギーの利用が期待できます。
既存の水力発電や風力発電に加え、山間部では火成活動を利用する地熱発電が、沿岸部においては波力や温度差などを利用する多様な発電法が提案・利用されています。
再生可能エネルギーは、発電量が環境要因に左右される上に大規模化が困難なことが課題でしたが、発電・蓄電・送配電のICT管理による最適化(いわゆるスマートグリッド構想)によって、この課題は技術的に解決できる状況が整いつつあります。
換言すれば、再生可能エネルギーの効果的な利用にはスマートグリッドの確立が必須であり、両者を一体として確立・運用する技術的・法的・経済的な体制の構築こそが、取り組むべき喫緊の課題です。
エネルギー問題は、国内問題であると同時に、人類が抱える地球規模の問題でもあります。
グローバル化の著しい現代にあって、燃料資源の枯渇危機は国家間の緊張を高めます。
原子力発電は、必ず生じる放射性廃棄物の処理および生じうる事故への対処の両面で、いまだ人類はその解決法を有していません。
燃料資源の利用は二酸化炭素の放出を伴い、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、海洋酸性化の進行も観測されています。
再生可能エネルギーにおいても、人為的介入による生態系構造の改変は不可避であり、その環境影響評価は十分とは言えません。
こうした問題に対し、学術的成果や模範事例の提示などを通じて、我が国も積極的に貢献すべきです。
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2021年4月23日小泉進次郎環境相『2030年までに46%削減』
エネルギー問題と環境問題は、どちらも問題だけど、別問題だ。
違うけど似てる。
似てるけど違う。
エネルギー問題とは、
[1]地球上で埋蔵資源が必ずいつか枯渇すること
[2]現在のエネルギー供給は埋蔵資源に依存しているので困ること
という前提となる枠組みがあって、
そこに経済的視点が加わって、
[3]埋蔵資源は地理的に偏在しており最後は国家間の交渉になること
[4]日本には埋蔵資源がないので上記交渉では不利となること
[5]日本が埋蔵資源を輸入し続ける限りは経済的不利を被り続けること
ということになる。
これらを解消する手段には、
[a]世界的な再生可能エネルギー利用増大による埋蔵資源の省消費
[b]日本国内の再生可能エネルギー利用増大
があげられる。
環境問題では、
[6]火力発電時の二酸化炭素排出による気候変動・海洋酸性化などの問題
[7]放射性廃棄物など、発電や発電機器を製造に伴う廃棄物による環境汚染
[8]バイオマス発電など、発電に利用する材料生産に伴う生態系の大規模な破壊
[9]メガソーラーや水力発電など、発電機器の設置に伴う生態系の大規模な破壊
などの懸念がある。
問題[6]の「二酸化炭素排出」を解消するには、
[c]火力発電の総量を抑える
[d]火力発電で発生した二酸化炭素を空気中に排出しないで隔離する
という打ち手がある。
手段[d]は、数ある問題のうち課題[6]だけを解決する。
気候変動による災害の激甚化や一次生産への影響は、世界各地ですでに起こっている。
二酸化炭素は蓄積するから、早く手を打つほど効果的だ。
先の政治家の発言が年限をきっているのも、そういう意味だろう。
そして「実質ゼロ」は明らかに手段[c]だけでなく手段[d]を念頭においている。
なぜなら手段[c]だけで「排出ゼロ」を実現したら、「実質ゼロ」ではなく「本質ゼロ」だからだ。
ここでエネルギー問題に立ち返る。
手段[d]は、エネルギー問題[1-5]をまったく解決しない。
エネルギー問題を解決するには、再生可能エネルギーへの転換(手段[c])が必須だ。
そして日本は、経済安全保障の観点(問題[3-5])から、エネルギー転換を急がねばならない。
手段[c]を早急に進めることは、単に環境問題の解決ではなく、国の行く末を担っている。
じゃあ『火力発電+二酸化炭素隔離:手段[d]』に意味がないかというと、そんなことはない。
手段[d]は、移行期的な措置としては、意味がある。
再生可能エネルギーの利用を拡大するのに課題[7-9]には注視しなければならない。
課題[7-9]には、これまでにない課題も含まれるから、予期せぬ新たな問題が起こる可能性もある。
事実、山間部へのメガソーラー設置に伴う生態系変容は実施後に発覚し、問題となっている。
エネルギー源ごとに、従来にない新たな環境影響評価が必要である。
また、再生可能エネルギーの産生には、技術的にまだ改善の余地がある。
とりわけ、スマートグリッドによる最適化が必須であるが、システムは未整備である。
『2030年排出46%削減』を、手段[c]のみで実現することは、かなり困難である。
10年間で再生可能エネルギー自給力を現在の数倍まであげるのは、現実的ではない。
手段[c](エネルギー転換)を早期に進めるが間に合わず排出過剰となった分について、
手段[d](二酸化炭素隔離)による「実質削減」で補填するというのが、現実的な路線だろう。
『ところで、その"かくり"ってのはどうやって実現するんだい?』
「そりゃお前、虎の威を借るのさ」
『お上から押しつけるってのかい』
「押しつけたってどうにもならんよ」
『じゃあどうやるのさ』
「決まってるだろ、虎といえば」
『阪神タイガース』
「かくりといえば」
『郭李』
「そう、90年代のダメ虎を支えた郭李」
『あの暗黒の....(はっ!)』
「(それや!暗黒の深海に隔離や!)」
以下は学術会議の某分科会で用意したけど使われなかった文章
ver190503 kawagucci
電力は現代社会生活に不可欠であり、安定的な電力供給は憲法25条にうたわれる生存権を保障するものです。
日本のエネルギー自給率はここ数年、10%を下回っています。
低エネルギー自給率は、国内エネルギー消費量(14*1018J/y)に対し、国内産生エネルギー供給では及ばない大部分を、輸入燃料資源の利用に依存していることを意味します。
輸入燃料資源への依存は、経済性や安全保障上の問題があり、国民生活の持続的発展において巨大なリスクです。
たとえば家庭部門のエネルギー消費は全体の15%ほどですが、これさえも国内産生エネルギー供給ではまかなえていないのです。
照明のLED転換などによるエネルギー消費量抑制が期待されますが、国民生活や産業活動の発展を考慮すると、大幅な消費量削減は極めて困難です。
つまり、エネルギー問題の根本的課題は『国内産生エネルギー供給"力"の向上』にあります。
我が国にはわずかな埋蔵燃料資源しかありません。
深海底メタンハイドレートなど非在来型埋蔵資源採掘に期待が寄せられていますが、埋蔵量評価や採掘技術開発はいまだ不十分で、経済合理的に利用できる可能性は不透明です。
我が国はその地質・地形的特徴から、多様な再生可能エネルギーの利用が期待できます。
既存の水力発電や風力発電に加え、山間部では火成活動を利用する地熱発電が、沿岸部においては波力や温度差などを利用する多様な発電法が提案・利用されています。
再生可能エネルギーは、発電量が環境要因に左右される上に大規模化が困難なことが課題でしたが、発電・蓄電・送配電のICT管理による最適化(いわゆるスマートグリッド構想)によって、この課題は技術的に解決できる状況が整いつつあります。
換言すれば、再生可能エネルギーの効果的な利用にはスマートグリッドの確立が必須であり、両者を一体として確立・運用する技術的・法的・経済的な体制の構築こそが、取り組むべき喫緊の課題です。
エネルギー問題は、国内問題であると同時に、人類が抱える地球規模の問題でもあります。
グローバル化の著しい現代にあって、燃料資源の枯渇危機は国家間の緊張を高めます。
原子力発電は、必ず生じる放射性廃棄物の処理および生じうる事故への対処の両面で、いまだ人類はその解決法を有していません。
燃料資源の利用は二酸化炭素の放出を伴い、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、海洋酸性化の進行も観測されています。
再生可能エネルギーにおいても、人為的介入による生態系構造の改変は不可避であり、その環境影響評価は十分とは言えません。
こうした問題に対し、学術的成果や模範事例の提示などを通じて、我が国も積極的に貢献すべきです。
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