忍者ブログ
自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
[71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81]
科学会に大激震を招いた事業仕分けから一週間、
科学会の方も色々な動きをしているようです
で、事業仕分け自体に対する個人的な思いは以前に書きましたが、
今日は科学会、特に地球科学業界の対応についての意見・苦言です

はじめに、
当事者に対して直接言っていないことを、
先にココに書くというのに大変な抵抗はありますが、
なんせ火曜から航海なので、
直接お話する時間もありませんから書いてしまいます
ご容赦ください
そして、
当事者におかれては多分に不快な思いをされると思いますが、
本当にただただ率直な意見を述べているということをご理解ください
もちろん特定の個人を中傷するつもりではありません
あくまで「集団」「業界」に対する思いです



おとなしすぎませんか?
そして、
正攻法すぎませんか?


当事者であるところのIFREEも惑星連合も、
怒りを抑えて理路整然とした文書を一週間かけて書き上げて、
「意見」として送付する
あるいはボクの所属する学会なんかは、
「文科省のパブリックコメントにメールしましょう」
ってな感じのお願い(通達)のみ

自分の立場で考えればわかると思いますが、
パブリックコメントなんて、
受け付けてはいるものの、
中身読まれませんよ?
自分にきたメールをスルーしている人達が、
メールで意見を送ることに意義を見い出していることに、
なんというか、
「おっさんら、ほんまにやる気あるんかいな」
という印象を受けます

しょせん今回の事業仕分けなんてテレビショーなんだから、
思い切って向こうの土俵に上がって、
文科省のプレスリリース室に記者を呼び込んで、
大仁田厚ばりに泣きながら叫べばいいじゃないですか
IFREEの半額削減なんて、
マジで雇用に響いてくるわけだから、
それぐらいやったっておかしくない
それぐらい怒りに満ちているのにも関わらず、
「皆さんもメールで意見をお送りください」
と身内でやっているのは、
なんだかなぁ、です

あと、
理路整然とした文章を送付するのも、
冷静を装っている、あるいは当事者意識が希薄という感じで、
悪印象なんじゃないかな
そういう態度では、
「科学者は税金に甘えて暮らしている」
と受け取られても仕方がないんじゃないかな、
とも思います


正式な文章はもちろん大事
でも一方で、
新聞やテレビにそのまま写すだけで意味の伝わるような、
キャッチーなスライドなりポスターなりのファイルを、
新聞社やテレビ局に提供する方が、
こういう劇場型政治にはむいているんではないかなぁ
「相手の土俵には乗らない」という科学者然とした対応をきめこむのも良いですが、
清貧を貫ける状況にあるかどうかの吟味も重要


■天下りに対する「色眼鏡」の被害(某機構の場合)
職員は1000人、その中に天下り理事が2人いるだけ
その採用に多くの職員は無関係
一方、総合職・研究職の採用倍率は平均で@@倍の難関
それでも天下りがいるというだけで敵視
→言いがかり

■IFREE予算と人件費(仕分け人は理解しているのか)
総額@円(円グラフ)
うち人件費(@人分)が6割
10分に満たない言及で来年度の半額あるいは全額削減の裁定
→非現実的な裁定


まぁ、
なんだかんだで、
何事もなかったかのような予算がくまれるとは思いますが、
それでも、
次に何か激震が襲ってきた時の教訓ぐらいは、
今回の熱が冷めないうちに残しておきたいモノですね
「どうせ結果オーライでしょう」
という態度は、
むしろ渦中にある時にやり過ごす態度であって、
平時には備えを万全にしなければね

PR
日本語の総説論文の依頼がきた
「やんわりと断った」 つもりでいたが、
「断らなかった」 という認識だったのだろう
まぁ、 お世話になっている人でもあるし、
ここは受けるしかあるまい
ということで、
共著予定者のチョキさんに電話
色々と話す 方向は定まらない
どうしたものかね
4月までというのは長いようで短い

伊平屋論文、南奄西論文の存在も重要になる


成田関係の論文2件
なんとかせねばね
投稿中の2件も、
どうなることやらですし


白鳳試料で微生物の作業をお勉強することになるだろう
これでどれだけ時間を使うかが、
新年・年度末のペース配分に効いてくるね


MATのH2ラインは新構築が不要になった
ちゃっちゃと培養試料を終わらせねば
その後はさしあたり炭素系だけ立ち上げて、
ソリテアしてしまおう
N2O関係の基礎実験はブーマナにお任せだ
ここまでは年度内


新TRDはちゃんと設計する
場合によっては自動化
そして改良型のループセットの設計も
優先順位は白鳳の結果次第か


いじりちきゅうRIは要相談か
新RIラインもどうするか


事業仕分けの基礎科学・研究費関係については、
総合科学技術会議での緊急提言で、
とりあえずは決着でしょう

あとは若手関係が、
研究費と見られるか、
雇用対策と見られるか、

どうだろうか
これは以前、古巣を訪ねた時に某氏と話していてえた見解について、
今回の事業仕分けがからんで思ったことです

また、
このエントリーに限り、
コメントを受け付けることにしました
最下部のコメントをクリックしてコメントしてください
(コメント無いので閉めます(泣))


■ハード人件費とソフト人件費
大学運営費など、
ほぼ永続的に供給されるマネーをソースとする人件費をハードな人件費、
科研費基盤やCOEなど、
元ソース自体が期限付の人件費をソフトな人件費、
とします
(分類には異論があるでしょうが、ここではそんな感じで)

たとえば、
大学雇用の(特任じゃない)任期付助教などは、
一個人としての立場は流動的ですが、
そのマネーソースは(一応)確たるものなので、
ここではハードな(人件費による)雇用だと考えます
もうひとつ
うちの機構にはポスドク研究員というポストがあるんですが、
これは一見するとソフト雇用なんだけど、
基本的には機構の金で雇われるハード雇用なんですよね


で、
ハードマネーの枠(たとえば大学のお金で雇う大学教員)については、
それほど大きな増減はありませんから、
お金を受け取る個人は変わるものの、
ハードマネー研究者の総数は変わりません

でもソフトマネーはソフトなので、
たとえば科学技術なんてクソ食らえ内閣ができたら、
(今回はそういうわけでもないんですけどね)
かなり大幅な減額が予想されます
これはね、もうしょうがないですよ
科学技術立国を標榜したとて、
国民、あるいは政治家の心に科学が届かなければ、
科学会は聖域ではいられないのです


で、
ポスドク問題です
一個人としての研究キャリアにおけるポスドク期間の重要性や、
科学会の発展におけるポスドク研究者の存在の重要性について、
少なくとも科学会の中では疑問を持っている人はいないでしょう

しかしここであらためて、
科学会の皆さんに質問
「ポスドク」ってなんですの?

これはボクの中での定義ですが、
「研究以外の義務(教育・組織運営)を負わない研究者」
「研究専任のプロ研究者」
だと思うのです

「学位取得後、定職に就くまでの研究者」なんていうのは、
post doctorの日本語訳でしか無くって、
本質的な意味では、というか、
上にあげたポスドクの重要性を満たすという意味では、
ボクの定義の方がしっくりきます
定職に就くと会議があったり、
出世すると管理職業が増えたりすることを考えると、
本当の意味で「研究のみをしていれば良い職」としての「ポスドク」が見えてきます

というかね、
「学位取得後、定職に就くまでの研究者」と言っている時点で、
「ポスドク=研究キャリアパス上のつなぎ職」ということになってしまい、
「一個人の職名」というミクロな視点に落ち込んでしまいます
これでは、
個人としてのポスドク期間の重要性も、
科学会におけるポスドクの存在の重要性も、
いくら主張したとて、
今回の事業仕分けで指摘されたところの、
「雇用対策的な色彩が非常に見えてしまうという感じ」
になってしまう訳です
だから、
「ポスドク」という語の定義をちゃんとすることこそが、
「ポスドク問題」に取り組む際の一番初めの手順になるはずです
そこはちゃんとやってほしいです


というわけで、
ボクの定義でいきますと、
「ポスドク」というのは「研究専任のプロ研究者」なわけですから、
やはり科学の発展にとっては本当に重要な存在なのです

にも関わらず、
ポスドク枠の多くがソフトマネーによって確保されていて、
ポスドクの総数は非常に不安定な状況にあるのが現状です
たとえば、
ある分野の大物研究者がドイツもコイツもボンクラで、
まったく人件費用ソフトマネーを取れない連中だったとしたら、
その分野ではポスドクが養えない
そうすると次の人材が育たないことになり、
日本において、その研究分野は死滅します

「非常に重要」なのに「非常に不安定」というのは、
良くない状況ですよね

そんな中、
ハードマネーによるポスドク枠がある
それが「学振特別研究員PD」


さぁさぁ、
いよいよ本題というか、
もうオチはついてしまったのですが、
そういうことで、
「学振特別研究員PD」というのは、
科学会が絶対に守らなければならない、
それこそ「聖域」だと思うのです
なぜなら、
「学振特別研究員PD」は「ハードマネーのポスドク」だからです
ハードマネーによる人員枠は、
科学会のミニマム人員枠を決めているものなんです
ソフトマネーはそもそも増減があるものなので、
たとえ全廃になっても許容せざるをえませんが、
ハードな部分を削られると、
本当の縮小がはじまってしまいます
これはいかん


学振PDは、
厳格な審査(採択率10%)を経て選出され、
研究者自身が提案した研究を遂行することを唯一の義務とし、
他の研究者および業界や組織に対する義務が無い、
唯一の、
真の、
研究専念職(ポスドク)制度です

決して一部の研究者の「雇用対策的な」思惑では利用できない制度です

これを他の、
それこそ「雇用対策的な」ソフトマネーポスドクと一緒に議論して、
【「ポスドク=雇用対策的な色彩」→「学振特別研究員PDの減枠」】
という議論を導いてはなりません



あぁ、
また話がとっちらかってきましたね
とにかく、
途中で言ってしまいましたが、
若手研究者ウンヌンの議論で重要なことは、
【「ポスドク」という語の定義をちゃんとすること】です



もう疲れたのでこの先は今度にしますが、
このソフトとハードの話は、
1)大学(ハードマネー)の研究専門職を設置する
2)大学(ハードマネー)のラボマネージャー兼事務秘書的な職を設置する
という大学組織の抜本的改革の話に行きます

1)は研究して論文は書くけどいわゆる雑用のない教授のようなもの
2)は論文は書かないけど研究現場に携わる技官兼秘書のようなもの

なぜこんな話になるかというと、
現在の科学会が抱える問題として、
「偉くなると研究できない」ということがあるからなのですね

ではまた
平川克美
小田嶋隆

以下は抜粋

・聞けば、この公開仕分け作業には、なんら法的な拘束力はないのだという

・そもそも、国家の予算を決定するのに、稼働率や効率、赤字か黒字か、有効か無効かといった市場原理的な判断だけでこれを行うことが適切なのか

・基礎研究や文化事業は即効的な効果はもともと期待できない。無駄になることを承知で、予算をつけるのである。
よくまとめているサイト

個人的には異論があるが、
このブログを経由して情報収集している人のために
最近、
科学会のあり方など色々と考えている訳ですが、
なんといいますか、
タイガーマスクとしてリングを華麗に舞い観客を魅せながら、
素顔の佐山聡としては相手を倒すための格闘技に魅力を感じているという、
そんな状態であります
違うか


というのは、
一人間としてのkawagucciは、
科学研究費が削られてしまった、削られそうだということは、
しょうがないことだと思っているのです
自分が職を失うのも仕方がない
だってそういう道を選んだもの

科学は、
ルネサンス以来のいわゆる科学史を鑑みても、
時の為政者、あるいは大資本家の、
ほとんど狂気といえる科学者への寵愛や科学力への期待によって、
飛躍的に発展を遂げてきているわけですよね
よく言われる戦争が科学を発展させたというやつです
その一方で、
数多くの勤勉で優秀な科学者になるべき人材が、
これもまた時の為政者によって、
歴史に名を残すこともないままに葬られてきているわけです
(残ってないからわかんないけど、たぶんそうです)

ということで、
今回の件について、
やや冷めた気持ちでいるわけです


しかし、
地球科学者としてのkawagucci、
あるいは日本国民としてのkawagucciは、
今回の予算編成のみを念頭においた科学政策の舵切りに、
大いなる失望と憤怒を覚えているわけでもあります

とにかく科学技術国家を目指すというトップダウンのスローガンと、
数字だけを血眼に追いかけるボトムアップの予算編成でしか、
国益(のようなもの)が語られていないことが大きな問題なのだと思います


何事も大事なのは中庸です
視点としての中庸、
定量的な意味での中庸、
そして感情も中庸でいきたいです


途中からポスドクの話になってしまい、
その後はグダグダでした

取り上げられたのは三点
・テニュアトラック制度
・科研費の若手区分
・学振特別研究員


このうち、
テニュアトラック制度については、
特に大きな議論になることがなかった
たぶん、
どういうものなのかすら、
あまりわからないからだろう


科研費若手について
なんとなく議論の方向が、
「無能な若手をすくいあげるための制度」
なのだから、
「若手はなくても基盤に出せばいいじゃないか」
みたいな流れで、
「より若年者だけに絞って実施すれば」
という結論だったように思う

まぁ、それはそうですよね、と思うわけですが、
仮にそれを認めたとしても、
そのロジックからいけば、
若手分は基盤分に再分配されるということで、
若手分は無しになってしまう、というのはおかしいでしょう
この議論では科研費の総額について言及がなかった
ここはちゃんと詰めるべき

あと、
「分担などを駆使して途切れなく科研費を取ろうとしている」
との指摘も
仲間内での互助的な応募への不満?なのかしらないが、
そうでもしないと生きていけないでしょ
しかもこれ、若手の話じゃないし



さて、学振特別研究員、というかポスドク問題
なんだか色んな意見が出てました
「博士取得者だけ国の予算で就職を優遇するのはどうか。
 博士取得者自身の、個人的な生活戦略の失敗ではないか。
 過保護な政策ではないか。」
という意見については、
「学振PDの採択率は10%を切っている。
 本当に優秀な人を選別している。」
との回答
これはそうだと思う
あらゆるポスドクポストの中で、
もっとも採用プロセスが厳格な制度でしょう

「特別研究員制度の成果を示せ」との要求に、
「9割以上が10年以内に常勤研究職に就いている。
 著名な科学者には本制度経験者が多数いる」
との回答
これも良いと思う
しかし、
「優秀な人だっただけではないか。
 この制度が無かったとしてもそういう人は著名になっていただろう。
 そういうことではない成果を。」
みたいな返事で、
さらに、
「どのように税収に反映されているのか」
とまで口走ってました
そんなこと言われても、って感じです

その他、
「ポスドクを研究職に送り込んだところで最終的なポストは先細りなんだから、
 だから産業界に送り込む体制を博士院生の頃から強化すべき」
とか、
「文科省の博士増員計画の失敗を、
 予算を要求して解決しようというのは承知しかねる」
みたいな意見も
なんだかなぁ


ポスドク問題の論点としては、
・本当に優秀な人材が、
 経済的な理由でアカデミアを諦めることがないようにする
・本当に優秀でない人材が、
 税金でぬくぬくダラダラとポスドク生活を続けることを回避する
ということではないでしょうか

というか、
「ポスドク」というものの定義にもなると思うのですが、
ほとんどの大学で助教が任期付となった今や、
助教世代まで含めて「ポスドク的」な状態なわけです
その辺りも含めて、
明確にしていくべき部分だと思います


学振PDの存続理由としては、
他のPDはプロジェクト雇用になるため、
プロジェクトテーマに沿った研究が求められ、
PD自身の自由な発想による研究が実施できない
一方、
学振PDは自身で資金を獲得し研究を行う点で、
圧倒的に自由度が高く、
若手の自由で柔軟な発想が最大限に引き出される、わけです
この点を踏まえると、
学振PDこそが真に日本の科学技術の未来を支える制度だと言えるのではないでしょうか



とかなんとか言ってもしょうがないんですけどね
アクションは起こすけど、
不平不満には時間を費やさないことが肝要かと
こういうことになっているようです
詳細はこういう便利なエントリーでご覧ください
こんな思いこんな思いがあるようです

このことについては、
あらためて書かねばならないと思っています



とりあえず現時点で言っておきたいこと

「民主党が削減した」といって憤ることには強い違和感を覚えます
もちろん、自民党政権が続いていれば、
これほど大きな、そして根拠の薄い大幅な削減は無かったでしょう
ただし、
逆に考えた場合に、
自民党政権が強い意思と明確な根拠を持って、
科学研究費を一定水準に維持していたとは思えないです
要するに、
政治家、
その発言を伝えるメディア、
およびその情報を受け取るすべての有権者において、
本当の意味で科学研究費の重要性が認識されているとは到底思えない、
ということです

実際のところ、
たとえば、我々は、
現在の防衛費や道路に関する経費が、
「本当に妥当な額」かどうか判断できません

今日はここまで
出港までの残り一週間で、
もうちょっとまとめたことを書きます
地球温暖化懐疑論批判です
興味のある方はぜひお読みください

署名入りの反論で、
極めてまっとうな誌上議論だと思います



もう16日なんですね
24日出発なのに・・・

微生態、どうしようかな
いまだ悩み中
これ以上、体の負担を増やしたくないけど、
やはり勉強は大事だからなぁ

研究テーマというのも、
ちゃんと考えなければなるまい
熱水とか海洋窒素循環とか、
そういう古典的なレジームも大事で、
でもそれは既得権益や既成事実化した事象に覆われているので、
やはり新基軸というか、
新規的古典研究というか、
新分野創出というか、
そういうことも考えねばならない
二つの分野をただ並列につなげるのではなくて、
二つをがっちりとつなげて、
その上に新しく何かを構築する土台となるような、
そういう融合を目指すことが重要なのかなぁ

プロフィール
HN:
kawagucci
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
ブログ内検索
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アクセス解析
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) kawagucci's Weblog All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]