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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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今日のお話はタイトルのまんまですが,
教育とか経済とか政治とか研究とか,
まぁ結構なんでもそうですけども,
成長とか進歩とかを考える時に,
特に教育者や為政者などの,いわゆる「与える側」側が,
必ず持っておくべき視点だと思うのです。

これは持ちネタでいつも話していることなんだけども,
ボクが幼少の頃,実家にはデジタル時計がなかった。
それは,
「デジタル時計だと数字を見るだけで時刻がわかる。
 アナログ時計なら毎回頭で考えなきゃ時刻がわからない。」
という考えに基づくもので,
こうして算数的な思考機会を与え,
単に時刻を調べるという行為がそのまま勉強機会になっていた。

もう1つ,新聞について。
これは以前,詳述している。
安易な紙媒体不要論が子供を殺し国を滅ぼす
要するに,
「家に新聞があって親が毎日読んでいるという状況が,
 子供に対して「新聞を読む」という行為を喚起し,
 それが実質的には文字に触れる機会となっている」
という話。

卒論の赤ペンをしていても同じこと。
50ページにわたる文章をすべて読んで逐一修正しても,
なぜ修正されているかがわからなければ同じ誤りを繰り返す。
だから書き方のルールや,
あるいは書く際の注意事項のようなものを伝える方が,
逐一直していくよりも本人の上達につながる。
(本当は逐一直した中からエッセンスを吸い出す能力に期待するのだが)

経済用語の乗数効果とか言うのもそういうことだと思う。
税金から1兆円支出するのに,
単に1兆円を消費者に渡すと,それは単に1兆円の価値しかないし,
あるいはタンスに埋没するなら1兆円以下の価値しかない。
一方で,港町の加工場整備のために1兆円を使ったなら,
漁業が盛んになり,
海外から水産品シェアを奪い返し,
あるいは水産品自体の需要が増し,
さらなる設備投資など他の業種にも波及し,
もとの1兆円を超える効果をもたらす。
同じ「道路を作る」というコンテンツにしても,
それが「道路建設のための道路」なのか,
はたまた「産業活性化の仕組みとしての道路」なのか,
そういう枠組みをちゃんと考えているか否かは,
結果に大きな違いが生じてくる。


消費税増税の話も,
電子書籍教科書の話も,
それらのコンテンツとしての優位性みたいな論争が多いが,
本当はそれらは枠組みとして語られるものであって,
枠組みとしての優位性を語りあうべきだと思うのだ。

そうなってくると重要なのは,
「与える側」「決定権を持つ側」が,
問題点と解決の糸口を把握し,
それに見合った適切な枠組みを提案し,
受け入れてもらう(受け入れさせる)ということ。
(余談だが政治家の資質ってのはここにあると思う)

この「コンテンツではなく枠組みを与える」場合,
その意図を「受け取る側」が把握している必要はない。
結果的に良い方向に誘導されるような枠組みになっていれば,
別に施工時点でその意図が理解されていなくても問題ないし,
むしろわかられていないことが重要な場合もある。

たとえば「消費税増税」や「子供への叱責(体罰含む)」のように,
「コンテンツとしては(直接的には)負の影響を持つが,
 枠組みとして正の影響を持つ(と考えている)」
という性質のモノを導入する際,
コンテンツベースで考えては話が前に進まない。
(だってコンテンツとしては負の影響だもの)
それが「横暴」なのか「英断」なのかは,
事前には人望によって,
事後には結果によって,
受け取る側に判断されるモノなわけです。
だからこそ与える側は,
自分の行為について自ら厳しく査定して,
その正当性を確信した上で実施せねばならない。


話が発散してきた。

もう一度。
大事なことは,
「(与える側としては小さなコストで)
 受け取る側に最大の利益を生み出すような,
 仕組みを見出して実施すること。」
です。


最後に,
ここまで枠組み論を展開してきたけども,
コンテンツを突き詰めることも大事。
むしろそっち方にこそ世界を変える力がある。

日本語の言い回しだと,
コンテンツを作るのが「アーティスト/クリエーター」で,
枠組みを作るのが「プロデューサー/ディレクター」か。
研究者ってのは本質的に前者だと思う。
ボクはそこを諦めてしまっていて,
研究業界で研究者側にいる後者の立場を突き詰めようと思っている。

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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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