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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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観測ベースの,
しかも再現性のないモノ(不均質・現場培養)ばかり扱ってきたので,
研究プラン・デザインというものに対して,
曖昧な態度でいることが多かった。
特に潜航調査などでは,
試料自体が通常は入手困難なので,
「採れたモノの中で議論」という逃げ道があった(今もあるけど)。

でも最近になって培養実験や分析法の精査などをしていると,
やはり大事なことは,
「実験デザイン」なのだと痛感させられる。

「コレがわかれば世界はひらける」ということに気付くのは,
あるいはある種の才能が効いてくるのかもしれない。

一方で,
「じゃあ,何をどうすれば,それが明らかになるか」
という部分については,
才能なんか関係なくて,
「不断の文献調査」と「思考実験に基づく実験デザイン構築」だ。
とはいえ,
それだって別に仰々しいものではない。

修士をとったぐらいで普通に身につけているべきもので,
目の前の可能性と,その分岐した先にまたある分岐とを,
アミダクジだかトーナメント表だかフローチャートだかのようにして,
自分の到達したい部分に至るために,
どの可能性でポジティブ(応答あり)な結果を得て,
どの可能性でネガティブ(応答なし)の結果が得られれば良いのか。
証明したい事実に対して,
1つの実験操作が逆・裏・対偶のどの関係にあるのか。
それらをしっかりと考えて,考えて,取り組む。

ここでの見定めがハッキリしていないと,
実験なんてモノは無限にできてしまうものなので,
ただ時間を浪費するだけに終わってしまう。
そんなのは自分のカネでやる趣味であって,研究ではない。

よくよく考えてデザインしたプランで実験に取り組みはじめた後も,
予想だにしない結果が出てきた時は,
はじめにデザインをした際のプリンシプルに立ち返って,
「結局,どういう結果が得られれば自分の研究はゴールするのか」
を自分自身(と実験結果)に問い続けねばならない。

それはたとえば,
論文が「導入ー手法ー結果ー考察」から構成されているように,
一個一個の実験操作にも「導入ー手法ー結果ー考察」が必要だということだろう。

良い論文,良い研究というのは,
やはりデザインがはっきりしていて,
最小のデータで主張を押し出すことにあるんじゃないか。

学生の場合,何も考えずにバカみたいに時間を使って実験しても,
「結果ー考察」の部分はゼミなりで先生が修正してくれるので,
なんとなく通過できてしまうかもしれない。
でも,博士をとって独り立ちした研究者と呼ばれるに至るに,
そこの部分は,自分でしっかりと見定める必要がある。
それが出来ないのであれば,
それは学位こそ持っていれども独り立ちした研究者ではない。

航海・プロポ・外部発表に追われている中でも,
少しの時間でもしっかりと整理していれば,
一点突破の美しい実験デザインは可能なはず。

特に「特殊培養×特殊分析技術」なのだから,
良い結果が出るのは当たり前。
実験デザインの時点で勝負は決まっているのだ。
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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