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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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アタシは地球科学のことしかわかりません。

研究をすることの第一の目的は,
地球というもので何が起こっているのか,
ということを知ることにある。
それは地球上の生命活動も,
他の天体と地球との比較も,
同じことなのだろうとは思う。

今日は特にまとまっていないので,
ダラダラと書きすすめていく。

ようするに,
「地球」の「真理」に触れるために,
「科学」という手段をつかって取り組んでいる。
それが今の「研究」である,と。

また,
もちろん1人で完遂することなど出来ない大事業だから,
「巨人の肩の上に立つ」ことで知見を繋いでいく必要があり,
「科学研究」の手法の1つとして「論文」というものを経由している。

論文は知を伝承するための手段であるから,
極力客観的に書かれていなければならない。
もちろん,一方で,著者の観念を載せることも重要である。

すべての論文は「真理」に触れるための足場であるが,
ときに誤っていたり,嘘を書いていたりする可能性がある。
そのリスクを除去するために採用されているのが,
専門家による相互検証,ピアレビューシステムだ。

ピアレビューでは,
難点の修正もさることながら,
さらなる利点の掘り出しを要求することもある。
そうして著者と査読者による共同作業で,
論文が作り上げられる。
そもそも研究者は,著者であろうが査読者であろうが,
論文を経由して真理に触れんとする人間であるから,
この著者と査読者の共同作業については,
原理原則にのっとった妥当な方法だと言える。


と,いうようなことなのだけど,
一方で,
論文を経由しなければならないというのは,
大変にまどろっこしい。

研究をしていると,
論理性を追求した論文という体裁では伝えきれない,
「ニュアンス」のようなものがある。

たとえば実験室でのデータしか見たことがない人と,
実際に観測に出かけた人とでは,
データの見え方も違うだろう。
極端に言ってしまえば,
観測データを再現できるモデルが構築できても,
モデルで描写したことは現場では明らかに起こりえない,
なんてこともある。

「真理」に近づくには,
論理性とともに,
感性のようなものが,
あるいは論理性以上に必要だと思う。

まぁいわゆる「帰納と演繹」の話なのだけどね。

つまり,
研究者として,
穴だらけではあってもビジョンを持っていることが大前提で,
それがあるからこそ,
個々の論文が意味を持つのだと思う。
「vision-driven」と「result-driven」になるのかなぁ。


なんか違う話になってきたな。

論文を投稿して,
「それは統計的に有意なのか?検定せよ」
とかコメントがくると,
「統計的に有意じゃなくても直感的にそうに決まってる」
と感じる。
もちろん,
統計解析は真理に近づくための1つの有効な手段ではある。
しかし,
「統計的な有意性が”正しさ”と同義」
と決めつけたような思考では,
真理から離れてしまうリスクがある。
ボクはそう思う。

でも論文は査読を通らなければ公表されないので,
”査読を通るために”,
査読を受ける前にあらかじめ統計解析を実施する,
という態度が発生してしまう。
こうなってくると,
統計解析は単に査読をくぐり抜ける作法に過ぎず,
真理に近づかんとする当初の目的から離れていってしまう。

これはピアレビュー制度のリスクで,
議論が真理のためでなく査読のためになった時,
論文も,そのための研究も,
単なる研究者社会での「おままごと」に成り下がってしまう。

あるいは,
査読を通るため,というスケベ心がなかったとしても,
いつの間にか「既報論文と同じ議論をすることが正しい」と思い込んで,
どんなデータでも一律に同様の解析を施してしまうのは,
リスクが大きいと思う。
科学という手段の矮小化と言えるかもしれない。
そういう研究の仕方は,本当につまんない。


で,まぁ何が言いたいのか,です。

「論文だけで真理に近づくのは限界がある」ということです。

じゃあどうするのか,ですが,
口頭での議論です。
論理性と直感を寄せ集めて,
議論を繰り返し,
「きっと真理はこうなっている」という,
根拠のない確信のようなものを醸成し,
それに基づいて論文を執筆するのです。

要するに,
論理性と直感は並び立たねばならないもので,
「論文=科学/研究」という風潮には,
大変な違和感を覚えている,ということです。


むりくりまとめると,
論理と証拠の積み立てである論文執筆と,
論文と直感から醸成される確信的ビジョンを,
行ったり来たりしながら,
研究を進めていきたいと思っている,ということでしょうかね。
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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