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自由と信念の箱船で恍惚と不安を抱きストロングスタイルで爆進します!
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バスケ日本代表のトムホーバスHCに対する疑義の文章を読んだ。
https://note.com/tomabetchy/n/n9e5b62975491

要約すると、ホーバスHCの指導法が、徹底したパターン化による選手の自主性の抑圧と、「キミたちは出来ると信じている」と言い続ける洗脳とで構成されており、メディアが持ち上げるような革新的指導ではなく、むしろ日本スポーツ界の旧態である軍隊式ではないか、というもの。

これには、同意だ。
同意だが、ボクにとってそれは指導への疑義ではなく、むしろ指導への称賛である。

ホーバスに対する評価が、著者のとまべっちーさんとボクとで違うのは、視点の違いだ。
著者は、(大学生まで含む)育成世代の視点で見ているのではないか。

選手個人の伸びしろが残っていて、それを育む視点で見るならば、ホーバスのやり方に全面的に賛成することは難しい。
選手が自身の持つ個性の発揮を抑制してしまいかねない懸念からだ。
とりわけ学生スポーツでは、その学校に入ることと、そのチームに入ることとは、必ずしも一致しない。
行きたい学校に行って、そこでやりたいスポーツをやることに決めただけで、そのチームに入ることを選択したわけではない(スポーツ推薦ならば事情は違うが)。
またそこが最終目的地でもない(はなから学生大会だけで引退することを決めている人もいるだろうが)。
育成年代では、日々(の練習)を楽しく過ごすこともスポーツをする理由なのだから、一定以上の自主性は重んじられる方が望ましい。
あるいは、スポーツを通じた自主性の成熟が、学生スポーツの目的であるということも指摘できよう。

一方、トップリーグのトップチーム、あるいはその最たるものである代表チームは事情が違う。
監督は、選手個人の成長や自主性を重んじる必要がない。
なぜならば、この層のチームの目的は唯一、勝利することで、そのために選手は選んで連れてくるものだからだ。
選手も、トップのチームでトップのコンペティションに参加し、富と名誉(と最高のプレイの快感)を得ることが目的だ。
自主性が抑制されたことで選手がヘソを曲げるなら監督はチームから排除すれば良いし、選手も不満があるならチームをされば良い。
実際に、監督と選手が合わず、どちらかが退団するケースはとても多い。

たとえばサッカー界では、おそらくペップやクロップも、ホーバスと同じ指導法をしている。
監督が理想のチームを思い描き、その実現に必要な要素となりうる選手を連れてきて、戦術的あるいは精神的な一貫性を注入する指導により、理想を実現する。

バスケやサッカーのようなボールゲームでは、競技特性として、相手の穴を突くことで勝利が近づく。
最近ではスポーツ界でも解析によって戦術の効果が明瞭になっている。
それゆえ、各選手が、それぞれの思いつきではなく、戦術的に規定された動きをする方が、勝利する確率が向上する。
勝利を第一義の目的とする集団であるプロチームあるいは代表チームであれば、自主性を抑制されることは、かならずしも悪いことではない。

だからといって、選手の自主性、個性が不要かと言えば、まったくそんなことはない。
そもそもマクロに規定されるチーム戦術があっても、個々のミクロな局面でのプレイ選択には必然的に個性があらわれる。
また監督としても、その個性を(良い意味でも悪い意味でも)織り込んで戦術を立てる。

さらに言えば、究極の個性の発露こそが、戦術の核心である場合も多い。
ペップもそれを認めている。
メッシ(あるいはロッベンやハーランド)がフィニッシュワークを出来る局面をいかにして作り上げるかが、チームの仕事だ。
フィニッシュワーク、最後の局面で相手を上回ることは、メッシの個の力に委ねれば良い。
ガチガチの戦術は、極論すれば、究極的な個性頼りのためなのだ。
富永に3Pを打たせるのはチーム戦術だが、富永の3Pが決まるかどうかは個性なのだ。

じゃあそんなメッシやハーランドはどのようにして育ってきたのか。
その育ってきた環境では、自主性が重んじられていたことだろう。
なぜならば、自主性が重んじられなければ、個性がうまれないからだ。

〜〜

とか、そんなことを思いながら、いかにして小学生に戦術的な動きの効能を体感してもらうかに、悩んでいる。
チームのエースからすれば「パスしてもキャッチミスするから、パスしない方がチームのためじゃん」「自分がドリブルで抜いてシュートを打つのが一番いいじゃん」というものだろう。

でもそれを続けていると、個の力で自分を上回る選手がいるチームには、チームとして勝てない。
個と個の局面で封じられると、他に持ち手がないからだ。

この辺りは、言葉で説明しても、納得がえられるものではない。
敗北から学べば良いが、個の敗北の体験を消化した上で、個には限界があるからチーム戦術を磨こうと自主的に考えることを、小学生に期待するのも難しい。

相手は現代っ子なので、動画を編集して場面を見せるのが良いとは思っている。
良い素材を見つけて、うまく編集して、


時間切れ
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海洋系の某独法で働く研究者が思ったことをダラダラと綴っています
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